協力歯科の選び方
実践!口腔ケアマニュアル
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昨年12月の高齢者住宅フェアーのセミナーでは、高齢者専用賃貸住宅をテーマとしたものが大変盛況でした。そのなかで講師が口を揃えていたことが、「成功する高専賃の運営は、ハード面ばかりではなく、地域連携のできる介護事業所や医療機関の質が入居者の満足度に大きくかかわってくる」ということでした。
では、どうすれば質の高いところを見つけることができるのでしょうか? 訪問歯科に関しては、「くちコミ」で評判の良いところを探すのも1つです。しかし、得てして評判の良いところは、往診の予約が詰まっていて、急な依頼には対応できないところもあります。
こうした事態を避けるためは、普段から2つの協力歯科医院を持つことです。1軒の歯科医院とだけと付き合うのは、便利なようで実は大きな問題を抱えることもあるからです。
例えば、入所者が「あの先生は嫌だ」ということがあります。どんなに素晴らしい先生でも、すべての患者さんとうまくいくというわけではありません。そのようなとき、「うちの協力歯科は○○歯科医院だからほかの歯医者さんは来てもらえない」というのでは、患者さん側にとってはたまったものではありません。また、急な痛みにすぐに対応してもらいたいのに、協力歯科の予約がいっぱいで、何日も待たされるということも大きな不満の原因になってしまいます。
そこでお勧めしたいのが、メインとサブの2つの歯科医院を選び、それぞれに訪問診療の協力をお願いしておくことです。
メインの協力歯科を決める際のポイントは、入所者や介護職員向けの口腔ケア勉強会や、入所者向けの定期的な口腔健診を行ってくれるかどうか、です。
訪問歯科を依頼する患者さんは、日常的な口腔ケアがおろそかになっていることが多く、治療を受けても、その後の口腔ケアがしっかりしていないため、すぐに悪くなってしまいます。ですから、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアと、患者本人のセルフケア、そして介護者による介護者口腔ケアがしっかりと連動する必要があります。そのためには、入所者の定期的口腔健診と口腔ケアの勉強会は不可欠です。
メインの協力歯科は訪問診療を行うことはもちろん、入所者の健康管理や介護スタッフへの助言を積極的に行ってくれる歯科医院を選ぶことが重要なのです。
「協力歯科の選び方」のまとめ
- 地域連携のできる介護事業所や医療機関の質が入居者の満足度に大きくかかわっている
- 急な往診依頼にも応えられるよう、普段からメインとサブの、2つの協力歯科を持つこと
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