口腔健診の進め方
実践!口腔ケアマニュアル
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入所者、利用者の口腔ケアに取り組む第一ステップは、スタッフ向けの口腔ケア勉強会を実施し、スタッフ側の知識と意識を高める必要があります。これについては前回ご説明しました。
今回は、次のステップである「口腔健診」です。口腔健診は、口腔ケア取り組みの前段階として行う必要があります。口腔内の問題を改善した後に、その良好な状態を維持するためのものが口腔ケアです。そのため口腔内の問題点を確認し、歯科の治療が必要な場合には事前に治療を完了しておきます。口腔内に問題を抱えたままでは、口腔ケアの効果があまり見込めないからです。
口腔健診は、施設の場合、最低でも年に1回行うことが理想です。施設の協力歯科に依頼をして実施してもらいましょう。大抵の協力歯科では、ボランティア活動として費用なしで行ってもらえるはずです。健診を実施する際は、施設側で気にかけていただきたいことが3つあります。
1.「健診希望アンケート」
施設側としては、入所者全員の健診を希望されますが、入所者からは、時に、「強制的に健診を受けさせられた」という方が出てくることもあります。そこで、健診する歯科医師に迷惑がかからないように、事前に健診を希望するか否かのアンケートを実施していただきたいのです。
2.「口腔健診の立会い」
入所者の健診の際には、必ず施設側の担当者に立ち合っていただく必要があります。意思疎通の困難な方や介助が必要な方の場合、歯科医院のスタッフだけでは手に負えないことがあるためです。健診を受ける入所者一人一人の状態について歯科医師からアドバイスを聞いて、その場でメモを取っていただくのが理想です。こうすることで、健診から治療、日常の口腔ケアへの一連の流れを把握することができるからです。
3.「健診後の管理」
健診後には、歯科医院から健診票を作成してもらえます。これは入所者に渡すだけでなく、すぐに治療の必要な方は歯科医師にかかることを勧めていただきたいのです。そして、その治療がいつ開始していつ終了したのかの記録を管理してください。
入所者の治療は、必ずしも健診を行った協力歯科医に依頼しなければならないということはありません。その入所者の係りつけの歯科医院が近隣にあるなら、そこを受診しましょう。そこが訪問診療を行っていないようなら、健診してくれた協力歯科医に依頼すればよいでしょう。
「口腔健診の進め方」のまとめ
- 施設での口腔健診は、最低でも年1回は行いたい
- 健診時には
1.健診希望アンケートを実施
2.口腔健診への立ち会い
3.健診後の管理
の3点に配慮する
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