口腔ケア介護のタイミング
実践!口腔ケアマニュアル
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「口腔ケアの介護を始めるタイミングはあるのでしょうか?」という質問を受けることがあります。食事や排せつの介護をしていても、歯磨きは本人に任せているということが意外に多いからでしょう。
一般的に、口腔ケアの介護を始めるのに適切な時期は、
1.口臭が強くなったとき 2.食が細くなったとき 3.よく熱を出すようになったとき、と言われています。
では、口腔ケア介護の重要なポイントを挙げてみましょう。
1.できることは自分でやってもらう
体の介護の基本と同様、介護者が手を貸すのは必要最小限にします。歯ブラシを持って動かすという動作は、手指の運動機能を使うので毎日続けるとリハビリになります。そのためにも、本人が使いやすい道具を選ぶ必要があります。
2.誤嚥に注意する
口腔ケアで最も危険なのが誤嚥です。口腔の清掃をして出ただ液等を飲み込んでしまい、気管支や肺に入れることのないよう、姿勢等に気をつける必要があります。ケアを始める前に声をかけて、意識を覚醒させたり、誤嚥しにくい姿勢をとらせる等の工夫が大切です。
3.生活のリズムをつくる
口腔ケアの目的は清掃以外に、食事をおいしく食べたり、起き上がって人と話したりすることにもあります。口腔ケアを1日のリズムのなかに組み込んで、生活にメリハリをつけましょう。
4.無理強いはしない
1日くらい歯を磨かなくても問題はないので、嫌がるときは無理にさせないのが、長続きのコツです。特に認知症の人は、介護者のストレスを敏感に感じ取って口腔ケアを拒否することもあるので、大らかに構えるくらいで調度よいでしょう。
5.訪問歯科や介護サービスを利用する
誤嚥の危険性が高い人、障害を持っている人には専門家の口腔ケアが必要な場合があります。また、口が開き放しで口腔内が乾燥している方は誤嚥性肺炎等のリスクが高くなります。特に抗高血圧薬、向精神薬、睡眠薬等を長期間服用している方は口腔乾燥症になりやすいです。
これを防ぐためには「保湿」~「閉口」~「正常な唾液分泌」の順に対処しますが、これには、訪問診療を行ってくれる歯科医、歯科衛生士等の専門家による指導や管理、ケアが必要です。介護保険の「居宅療養管理指導」または医療保険の適応になるので、くわしくは歯科医院にご相談ください。
「口腔ケア介護のタイミング」のまとめ
- 口腔ケア介護の重要ポイント
・できることは自分で
・誤嚥に注意
・生活のリズムをつくる
・無理強いはしない
・訪問歯科や介護サービスを利用
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