入れ歯の管理方法
実践!口腔ケアマニュアル
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快適に入れ歯を使い続けるためには、自分の歯と同じように手入れが必要です。ついついおろそかになりがちですが、正しい方法を習慣にしてしまえば、入れ歯を快適に使い続けることができます。今回は「入れ歯の管理の仕方」を説明します。
■入れ歯の清掃
入れ歯は一人一人の歯の欠損に応じて作製されるオーダーメイドのものですから、構造が複雑です。そのため、一見きれいに見えても、実際には磨かれていない部分も多くあります。意外に見落とされやすいのが、薬を飲んだ後の汚れです。細粒が入れ歯の裏側に入り込み、汚れとなることがよくあるのです。
- 入れ歯の床の内面、金具の内側、残っている歯との接触面は特に汚れが取れにくいので、ていねいに磨きます。
- 入れ歯を落として排水溝に流さないよう、洗面器を使用します。
- 入れ歯専用歯ブラシがなければ、一般の歯ブラシでも十分役に立ちます。
- 歯磨き粉は使用してはいけません。
■保管
- 取り外した入れ歯は、乾燥させるとひび割れや変形を起こしてしまいます。保存容器の水のなかに浸して保管し、水は毎日交換します。
- 変形・変質の原因となるので、熱湯やアルコールでの消毒は避けます。
- 認知症の人は、施設等で他人の入れ歯をつけたり、紛失したりすることもあるので、入れ歯に名前を入れることをお勧めします。
■夜間の取り扱い方
- 必ず流水で洗ってから保管します。
- 口内炎を予防し口腔粘膜を安静に保つために、入れ歯ははずして就寝しましょう。特に小さい入れ歯は誤嚥する危険があるので注意が必要です。
- 就寝時等に入れ歯洗浄剤を使い、翌朝はよく洗浄してから装着します。
■注意事項
噛んだときに違和感や痛みを感じるような場合には、必ず歯科医師に調整をしてもらいましょう。入れ歯をヤスリ等で削るようなことはしてはいけません。
全身状態の変化によって体重が減るなどすると、入れ歯が不適合になることがよくあります。特に異常を感じていなくても、かみ合わせが悪くなっていたりして、あごの関節に負担をかけていることもあります。
介護者が口腔ケアを行う場合には、入れ歯だけでなく、口腔粘膜にも異常がないかを確認してください。また特に問題がないようでも、最低でも年に1回は歯科医の点検を定期的に受けるようにしましょう。
「入れ歯の管理方法」のまとめ
- 入れ歯を快適に使い続けるために、清掃、保管、夜間の取り扱い、に注意して手入れを行う
- 噛んだときに違和感や痛みを感じるときは、歯科医に調整してもらうこと
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