口腔ケアをラクにする口腔ケア用品
実践!口腔ケアマニュアル
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口腔ケアの大前提は、出来ることはできるだけ利用者ご自身で行ってもらうことです。そのため、体が自由にならない方には、専用の口腔ケア用品を使ってもらうとよいでしょう。
施設のスタッフの方から、「どのような口腔ケア用を使うとよいでしょうか」との質問を受けることがよくあります。そこで今回は具体的な商品名も挙げてご紹介します。
口腔ケアの基本はブラッシング。肩や肘、指の運動障害のある方には、歯ブラシを持ちやすくする工夫が必要です。関節リュウマチ等で握力が低下している方は歯ブラシの柄をもてないことが多くあります。この場合には、歯ブラシの柄にスポンジを巻きつけてグリップを太くすることだけで使いやすくなります。肩や肘の障害で歯ブラシを口までもっていけない方の場合は、歯ブラシの握る部分を変形できる「形状記憶歯ブラシ(サンスター)」を使うのも効果的です。
義歯の清掃には、義歯ブラシを使いますが、手に麻痺がある方の場合、両手を使うことを前提としている一般的な義歯ブラシは使いにくいものです。こういうときには片手でも入れ歯のブラッシングができる義歯ブラシが便利です。ブラシの背の部分の吸盤で固定し、三角錐状になっているブラシ部分に義歯を当てるようにして使う「マルチクリーナー(クロスフィールド)」を使うと一人でも入れ歯の清掃が楽にできます。
義歯洗浄剤を使う場合には、漂白剤が含まれていない、カンジダ菌等を寄せ付けないコーティングができるものがよいでしょう。ポンプタイプの「セラコートエース(日本ゼドック)」は片手でも使えるので便利です。
自分でブラッシングが出来ない方には、スタッフが口腔内を清拭します。多くの施設ではガーゼを使っていることが多いようですが、そのガーゼが清潔ではなかったり、ガーゼの繊維が口のなかに残ることがあるので、口腔ケア専用の使い捨てティッシュをお勧めします。
これを使うと、うがいの必要がないので、水道のないところでも手軽に口腔ケアができます。ドラッグストアーでも扱っている「口腔ケア用口腔清掃ティッシュ(和光堂)」は、医療現場ではかなり普及しているものです。
歯が残っている利用者の口腔内をスタッフが清拭する場合、たまに指を噛まれることがあります。それを防止するには「フィンガーブロック」という指を守る道具を使うと安心して口腔ケアができます。
「口腔ケアをラクにする口腔ケア用品」のまとめ
- 体が不自由な場合は、専用の口腔ケア用品を使う
- 自分でブラッシングができない方への口腔ケアでは、ガーゼではなく口腔ケア用の専用ティッシュを使うとよい
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