デイサービスの口腔ケアの取り組み
実践!口腔ケアマニュアル
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1ヵ月にかけて、青森、東京、埼玉、熊本、愛知のデイサービスを30事業所以上訪問してきました。デイサービスでは実際にどのような口腔ケアの取り組みをしているのか、職員はどのようなことに困っているのか、実際に歯科診療を必要としている利用者さんを見つけたらどうしているのか、ありのままの姿を知ることが目的でした。
実際に現場に伺って初めてわかったのが、デイサービスが算定できる口腔機能向上加算を実際に算定している事業所が実に少ないということです。そして、口腔機能向上加算を算定したいと思ってはいても、サービスの提供を行っていない理由も明確になりました。
口腔機能向上加算を算定するには、ケアプランにサービスを組み入れる必要があります。そのため、ケアプランに加えて欲しいとケアマネジャーへ伝える〝説得力のある資料〟が必要になるのですが、これを作るのが面倒だということでした。さらに、「口腔機能向上サービスを提供する際に作成すべき書類はどのようなものであればよいのか分からない」また、「それらの書類を作成するのが面倒だ」という理由もありました。
それまでは、デイサービスの人員不足の問題が一番大きいのではないかと思っていたのですが、実際には〝書類の書き方〟が一番大きな問題だったとは意外でした。日本訪問歯科協会で発売している「介護事業所との連携構築・強化」 セミナーDVDパッケージの中で取り扱っている「口腔機能向上サービスの加算」について簡単に話したところ、そんなに簡単にできるのなら、すぐにでも取り組みたいという事業所がたくさんありました。
今回訪問したデイサービスのなかにも、歯科医院としっかりとした連携が取れているところはありました。協力歯科医院が定期的に職員向けの口腔ケア勉強会を開催したり、利用者向けの口腔健診を行ったり、デイサービスの管理栄養士に食事についての助言もしているようです。
なかでも一番驚いたのが、食事の後の口腔ケアを定着させるために協力歯科医師が発案した仕組みです。デイサービス内の食事をするテーブルから、2人が同時に使える洗面台までの動線を考え、洗面台の近くに椅子が4つ並べて置かれているのです。
食事の終った人から順番にその椅子に座るようになっています。こうすれば、食事の後に、うがいや歯磨きをするよう誘導するのが楽になるのです。さらに、口腔ケアに立ち会うスタッフも、椅子への誘導係と、洗面台での見守り係のたった2人でカバーできるようになっていました。これにはとても感心しました。
「デイサービスの口腔ケアの取り組み」のまとめ
- デイサービスが算定できる口腔機能向上加算を実際に算定している事業所が少ない
- ケアプランに組み入れるために必要な書類の作成方法がわからない・面倒だという施設が多かった
- 「口腔機能向上サービス導入マニュアル」を利用すれば簡単に書類が作成できる
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