サブスタンスPとは
「サブスタンスP」は、正常に食べ物を飲み込んだり、咳をしたりできるように、神経に働きかける物質です。
通常はのどや気管の神経の中に蓄えられていますが、この物質が低下すると嚥下や咳の反射が鈍くなってしまいます。
サブスタンスPの低下は、パーキンソン病や大脳基底核付近の脳血管障害などによって起こります。
この物質が低下すると、嚥下や咳の反射が正常に行われなくなり、気づかぬうちに口の中の雑菌を含んだ唾液などを気管に誤嚥する「不顕性誤嚥」が日常的に起こります。
それを毎日繰り返すうちに、全身の症状が悪化したときに誤嚥性肺炎を発症するようになります。
また、サブスタンスPにはアルツハイマーを引き起こすβアミロイドタンパクという物質を分解する働きもあるため、低下によって分解されずに蓄積されると、アルツハイマー型認知症になりやすくなるとも言われています。
サブスタンスPを上昇させる薬物としては、高血圧の治療薬(降圧剤)のACE阻害剤の効果が知られています。
また、トウガラシなどに含まれるカプサイシンにもサブスタンPの分泌を活発にする効果があるので、トウガラシを使った多少刺激のある料理を食べるのもよいでしょう。