高齢者の歯ぎしり
寝ている人から「ギリギリ、ゴリゴリ」と音が聞こえる歯ぎしりは、本人は無 意識に行っているため、人から指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
歯ぎしりには、上下の歯を横にギリギリ擦り合わせるもの、ものを噛むように 上下でカチカチさせるもの、強いくいしばり音が出ないもの、などがあります。
歯ぎしりの原因として、かみ合わせの不均衡、精神的・身体的な疲労やストレ スなどがあげられますが、健康な人でも起こす生理現象でもあります。
高齢者の場合は、睡眠障害や認知症などが原因になっている場合もあります。
歯ぎしりは音が周囲の迷惑になるだけでなく、顎の周りの筋肉に力がかかって いるので、歯を傷めたり、歯を支える歯槽骨が壊れて歯周病の原因になったり、 顎関節症になったりします。歯の本数が少ない高齢者では、残った歯に歯ぎしり による悪影響が現れます。
認知症が進行した高齢者では、唇や舌、頬粘膜を噛んでしまうこともあるので、 歯ぎしり防止のマウスピースなどを早めに装着したほうがよいでしょう。
高齢者の歯ぎしりは、精神・神経学的な病気が関係していることも多いので、 歯科医だけでなく専門医の協力も必要です。