糖尿病と口腔ケア
糖尿病は、40代以上の10人に1人がかかっていると言われるほど、日本人の代表的な生活習慣病の一つで、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足して、血糖値(血液中の糖)が異常に高くなる病気です。
糖尿病になると、口の中が乾きやすくなるため、唾液の分泌量も低下し口の中が汚れやすくなって口臭がきつくなります。
また、免疫力が低下するので歯周病になりやすく、治りにくいことも知られています。高血糖の状態が続くと白血球の機能が低下するために炎症が進み、組織が壊れやすくなるからです。
糖尿病の人の7~8割が歯周炎などにかかっているといわれています。さらに、感染に対する抵抗力も弱くなるため、歯周病から重症の感染症を引き起こす危険性もあります。
一方で、歯周病を治療すると血糖値がコントロールしやすくなるなど、歯周病の改善が糖尿病の改善に関係することが近年報告され、注目を集めています。
つまり、お口の中を清潔に保つことが、二次的な感染症を防ぐだけでなく、糖尿病の進行も抑えることができるかもしれません。
糖尿病の人は特に口腔ケアをしっかり行い、歯科での定期的な検診も行いましょう。