高齢者のむし歯〈1〉
むし歯は歯垢(プラーク)の中の細菌が作り出す酸によって歯の表面が溶かされ、歯髄へと進行していきます。歯の表面は硬いエナメル質に覆われて保護されています。
しかし、高齢者ではエナメル質がすり減っていたり、歯茎が縮んで歯の根元(歯根)が露出していたりして、そこからむし歯に侵されやすくなっています。
放っておけば、歯の頭部がなくなった残根状態になります。神経は死んでいるので痛みはありませんが、歯髄が化膿したり、腫れて悪臭が出たりすることもあります。
エナメル質を突破した虫歯は一気に進行してしまうので、口腔ケアでむし歯を予防するとともに、早期治療が大切です。
■むし歯になりやすい場所
◆歯根面の虫歯/歯の根元が露出するのが原因。
◆義歯のバネがかかっている歯/汚れが付きやすいので、食後の清掃が大切。
◆歯と歯の間/高齢者は唾液の分泌量が減少しているので、よりていねいな清掃が必要。