痛みを伝えられない人の口腔ケア
口の中の痛みは、何からのトラブルを抱えているサイン。その原因を知ることが大切ですが、認知症や病気や障害などによって、痛みを自分ではっきり訴えることができない人もいます。
その場合、状態の悪化を防ぐためには、口腔ケアの介助者が、口の中の様子や口腔ケアを行うときの顔の表情や反応などを注意深く観察して、専門家と連携をとる必要があります。
口の中の痛みの原因となる、主なものは次の通りです。
歯肉炎・歯周病
<症状>歯肉の赤みや腫れ、口臭、歯石・歯垢の付着
<反応>口腔ケアを嫌がる/歯ブラシを手で払ったり顔を背けたりする/歯ブラシに血がつく
口角炎
<症状>口角のただれ、出血
<反応>大きく口を開けない、長時間開けられない/歯ブラシが口角に触れると痛がる、顔を背ける
口内炎
<症状>口腔粘膜が赤い/ただれ
<反応>歯ブラシを口に入れるのを嫌がる/歯ブラシに血がつく/刺激味の食べ物・飲み物を嫌がる
ドライマウス
<症状>痰や舌苔の付着、口腔粘膜の赤みや乾燥
<反応>口腔ケアを嫌がる/顔を背ける