高齢者に多い「誤嚥性肺炎」
日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞(虚血性心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)に次いで、肺炎・気管支炎が挙げられます。
とくに、肺炎と気管支炎による死亡の9割は65歳以上の高齢者であるため、肺炎は高齢者の健康管理にとって最も重要な課題です。
高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いと言われ、脳血管障害が多いこととも大いに関連しています。
大脳の基底核は,生命活動に重要な誤嚥反射や咳反射などを司っているので、ここに病変や障害があると誤嚥反射や咳反射などが阻害され、気道に異物が入るのを排除できずに誤嚥を起こしてしまうのです。
また、高齢者の肺炎の原因は、気づかないうちに唾液や胃液などが肺に入る、「不顕性誤嚥」が多いと言われます。
認知症、神経病、高齢化が進むと、誤嚥は起こりやすくなるのに咳反射は弱くなり、誤嚥した物を吐き出すことができなります。
誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、本人も気づかない、寝ている間に誤嚥を起こしています。