災害時の口腔ケア
災害発生時、被災者は睡眠不足などの不規則な生活になりがちで、肺炎、インフルエンザ、風邪などの感染症にかかるリスクが高くなります。口の中を清潔に保つことができないと、口の中の菌が体に悪影響を及ぼすことがあり、肺炎にかかりやすい高齢者では特に注意が必要です。
災害時は水が不足するので、なるべく水を使わない方法で口腔ケアを行います。歯磨き粉は口の中に残ると乾燥を誘発しやすいので、十分に口がすすげない時にはなるべく使わないようにします。口をすすぐ時にも、一度にたくさんの水を口に含むよりも、少量ずつ含んで複数回に分けてすすいだほうが、口の中の汚れを効率よく吐き出すことができます。
唾液には汚れを洗い流す自浄作用があるので、歯ブラシがない場合は唾液腺マッサージで唾液がたくさん出るようにします。
また、濡らしたガーゼやタオル、ウェットティッシュなどを指に巻いて歯の表面をこすって、歯垢を取るようにしてください。
デンタルリンスや洗口液は、水だけのうがいよりも歯垢の除去には効果的ですので、歯ブラシセットと共に非常持ち出し袋に入れておくとよいでしょう。