口臭と舌の汚れ
口臭とは文字通り、吐く息から出される口の臭いのことですが、その正体は、口の中の細菌が口内粘膜のはがれた組織や食べかすなどを分解するときに発生する「揮発性硫黄化合物」という硫黄ガスです。
これらのガスの多くが、舌の上に付着する「舌苔」から発生していると言われています。
体の皮膚が古くなると垢となってはがれ落ちるように、口の中の粘膜や細胞もはがれ落ちて舌の表面のざらざらした部分にたまります。
通常は、食べたり話したりするときに舌が動くので、ある程度は落ちますが、舌の動きが鈍くなり、唾液の分泌量も減る高齢者では、汚れが落ちにくくなるため、たまりやすくなります。
たまった汚れに食べかすや死んだ細菌なども集まって「舌苔」という苔のような堆積物になります。
口臭の予防には、舌の掃除をすることが大切です。1日1回を目安に、ガーゼや舌クリーナーなどで奥から舌先に汚れをかき出しましょう。
舌はやわらかく、傷つけてしまうと味覚障害を起こすこともありますので、強くこすりすぎないように注意して行います。
舌と接している上あごにも汚れがつきますので、上あごもやさしくこすります。
舌苔は歯の有無にかかわらずつきますので、歯のない人にも口腔ケアは必要なのです。