高齢者と低栄養〈1〉
元気に自立した生活を送るためには、栄養バランスのよい食事をしっかりと食べて、体力をつけて健康を維持することが大切です。
けれども、食欲の低下や偏食などによって栄養が不足すると、自分でも気づかないうちに「低栄養」の状態になることがあります。60歳以上の人の5人に1人が低栄養だという調査結果も報告されています。
●低栄養の原因
・粗食志向/粗食のほうが健康によいというイメージから、肉類などのタンパク質や油脂類などを敬遠する傾向にあります。
・活動量の低下/活動量が減ると、お腹があまり減らずに食事量が少なくなります。
・消化機能の低下/消化液の分泌が減少すると、消化吸収が悪くなります。また、腸の運動が低下して便秘がちになり、腹部膨満感や食欲不振になります。
・味覚の低下/甘みや塩味などの感覚が低下するため、味付けが濃くなって味に飽きてしまいます。
・咀嚼力や嚥下力の低下/噛む力や飲み込む力が低下すると、歯ごたえのある肉や繊維質の多い野菜などを避けるようになります。
・お口のトラブル/むし歯、入れ歯の不具合、歯の欠損などがあると、やわらかい食品を好むようになります。