高齢者の味覚障害
味が薄くなった、味がまったくしない、何も食べていないのにいつも苦い味がする、など、味覚に対する違和感を訴える高齢者は少なくありません。
味覚は、舌の表面や口腔内の粘膜にある味蕾(みらい)という部分で感知します。味蕾の総数は年齢とともに減少し、高齢者では新生児の半分から3分の1程度になるといわれており、味覚の違和感や味覚障害は加齢による生理現象でもあります。
これ以外にも、入れ歯による刺激や、異物感や嫌悪感などの心理的な原因によって味覚障害が起こることもあります。また、薬の副作用や亜鉛の欠乏、口腔カンジダ症やドライマウスなどの口腔疾患、嗅覚障害による風味障害など、さまざまな原因があり、いくつかの原因が絡み合って発症することもあります。
お口の中の汚れや唾液の減少なども味覚を鈍らせる原因になるので、口腔ケアでお口の中を清潔にするよう心がけましょう。