経管栄養中の口腔ケア
口や鼻、胃ろうや腸ろうなど、管を通して経管栄養をしている場合、口から食べていなければ口腔内は汚れていないだろうから、口腔ケアは必要ないと思われがちです。
けれどもそれは大間違い。経管栄養中は口で咀嚼をしないために、唾液の分泌が減って自浄作用が低下し、かえって汚れがつきやすい状態になっています。口の中にはもともとたくさんの細菌がいますし、痰などと絡み合って口臭の原因になります。
また、口で食べない状態が長く続くと、咀嚼や嚥下機能の低下や管の汚染などから、誤嚥性肺炎にかかるリスクも高まります。
口の中をきれいにすることだけでなく、唾液の分泌を促したり、口の周りの筋肉を刺激して機能を低下させないためにも、経管栄養中も口腔ケアが必要なのです。
●注意点
・刺激による嘔吐や嘔吐物の誤嚥を避けるために、栄養注入直後は避け、空腹時に口腔ケアを行うようにします。
・誤嚥を防ぐために、座位の場合は前かがみ、寝たきりの場合は横向きで行います。
・栄養チューブが抜けないように、テープで固定してていねいに行いましょう。