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- 2012.07
【盛岡医療生活協同組合・さわやかクリニック】(岩手県岩手郡) では、『お口の健康相談会』を通じて、これまでは利用者様から聞かれなかった「お口に関する気になること」を引き出せたのが大きな収穫になりました。
介護従事者と歯科医師との連携のきっかけに
さわやかクリニックでは、デイケアの利用者様を対象とした、『お口の健康相談会』を行いました。
口腔ケアの重要性はわかっていても、正直なかなか手をつけられない状態でした。しかし、利用者様の中には、入れ歯が合わないからと、食事の時は入れ歯をはずしてしまう方もいらして、利用者様のお口の状態も気になっていました。
そんな時に、日本訪問歯科協会から『お口の健康相談会』の案内をいただき、先日、第1回目の『お口の健康相談会』を実施したところです。いずれは当施設でも介護保険の口腔機能向上加算が取り入れられるようになればと考えています。
普段は普通にお食事もしていたし、お口に関することなど何もおっしゃらなかった利用者様が、歯科の先生に「ここがこういう状態だったので我慢していた」と、お口の不調をお話されていました。私たちにとっては初めて聞く訴えで、専門家の先生にだからこそ、安心して相談することができたのでしょう。
歯医者さんに行ってみてもらうことがなかなかできないので、自分のお口の中がどうなっているのか、先生から様子を聞けたことを利用者様は喜んでいました。
治療が大変だったらもう我慢するけど、簡単に治せることだったら治してもらいたいと、治療につながっていきそうな方も何人かいらっしゃいましたので、よいきっかけになったと思います。 勉強会を行ってさらなる意識付けを 『お口の健康相談会』 の結果を伝えることで、利用者様もご家族の方もお口の健康についての意識が変わってくるのではないかと期待しています。やはり、私たちが口腔ケアの重要性を説明するよりも、専門家の歯医者さんがみた結果をお話していただいたほうが説得力がありますし、効果も違ってくると思います。
これからも『お口の健康相談会』は定期的に取り入れていきたいと考えます。また、口腔ケアの勉強会を行い、さらに意識付けをしていきたいと思います。
私たちも口腔機能向上に関心はあっても、歯科医師とどのように連携をとっていけばよいのかが具体的にわからなかったので、その点でも『お口の健康相談会』は有意義なものになりました。
かくれ脱水は舌をチェック夏に多い熱中症は、体内の水分が失われる「脱水症」と大きく関係しています。脱水症は進行するまで症状が出にくいため、めまいや頭痛、吐き気などの症状が現れたときには、かなり進んでいることも。脱水が進めば、体の機能が低下して死に至ることもあります。
高齢者は体の感覚が鈍くなり、汗をかきにくくなったり、夜トイレに行くのが億劫で水分を控えたりして、脱水症状が起こりやくなります。室内にいても起こるので、特に注意が必要です。
●「かくれ脱水」の症状
気づかないうちに体の水分が減り、脱水症一歩手前になるのが「かくれ脱水」。この段階で気づいて適切に対処し、進行を食い止めることが重要です。
【こんな状態は要注意】
・指先が冷たい。
・食欲が低下した。
・爪を押した後、白からピンクに戻るまでに3秒以上かかる。
・口の中が渇く。
・舌の表面に光沢がなく、赤黒く乾いている。 など
●かくれ脱水を防ぐには
・室温28℃、湿度70%を超えないようにする。
・スポーツドリンクや経口補水液など、塩分を含む飲料を少しずつ飲む。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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