訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2011.09

COMECOME倶楽部

医療法人社団春陽会介護老人保健施設【老春苑】(鹿児島県)は、『お口の健康相談会』が一施設としての行事から、地域の予防医療に役立つような取り組みになれば、と考えています。

『お口の健康相談会』の“さりげなさ”が好評

『お口の健康相談会』の“さりげなさ”が好評 先生の的確な説明でお口の状態を把握 当施設の利用者様の平均年齢はだいたい85歳くらい。入れ歯の方が多く、歯磨きも毎食後というよりも、物が詰まったときや口臭が気になるときなど、気づいたら入れ歯をはずして洗い流すという方が大半でした。

けれども、先日、『お口の健康相談会』を行ったことで、口臭だけでなく、お口の中の健康状態について、利用者様が目を向けるようになったことは、一つ大きな変化だと思います。

『お口の健康相談会』では、歯科の先生がお一人お一人のお口の状態をていねいにみてくださいました。

利用者様の中には、口の中がなんだか痛いと思っていたけれど、自分ではよく見えないからと、我慢していた方もいらしたようです。「お口の中が今、こんな状態になっていますよ」「ここは痛くないですか?」「治療したほうがいいかもしれませんね」など、わかりやすく説明しながら、結果をお一人ずつ書面にまとめて渡してくださいました。

ある利用者様は歯の間に物がよく詰まることを先生に話したら、歯間ブラシの使い方を説明していただき、サンプルもいただいたと喜んでいました。

相談会にご家族が一緒に来られた方もいらっしゃいます。人の口の中は家族でもなかなかのぞきにくいもの。デイケアに歯医者さんが来て、強制ではなくさりげない感じでお口の中をみてくれ、的確なアドバイスをいただけたことはとてもありがたいという感想も多く聞かれました。

その後、治療を始めた方もいて、訪問歯科診療をご存じなかった方もいらっしゃいましたから、知っていただくよいきっかけにもなったと思います。 次回はぜひ利用者様向けの勉強会も 今後も『お口の健康相談会』を開催したいと思っていますが、今度は利用者様向けのお口にまつわるお話の勉強会のようなものも併せてできたらいいですね。なぜお口の衛生が大切なのか、肺炎の予防につながることなど、私たちが説明するよりも歯医者さんや歯科衛生士さんから話していただいたほうが説得力があり、利用者様も納得して口腔ケアに取り組めると思います。

また、利用者様だけでなく、地域の皆さんにも参加していただけるような相談会をぜひ日本訪問歯科協会にやっていただければと思います。地域の高齢者の皆さんが集まりやすい公民館などで行えば、地域全体の予防医療の向上につながり、さらに有意義な取り組みになるのではないでしょうか。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

歯間ブラシの使い方歯間ブラシは、歯と歯の間のすき間、ブリッジの下や部分入れ歯のバネの部分など、歯ブラシだけでは取りきれない汚れを取り除くのにとても便利です。

●形
針金の先に小さくて細かいナイロンの毛がついていて、前歯に使いやすいI字型と、奥歯に使いやすいL字形があります。

●サイズ
一般的に、毛の太さによってSSS、SS、S、M、Lなどの5つのサイズに分けられます。合わないサイズのものを使用すると、歯ぐきや歯を傷つけてしまうので、すき間に歯間ブラシを入れたときに、抵抗なく動かせるサイズのものを選ぶようにします。

●使い方
歯の表面方向から歯ぐきに沿わせて歯間ブラシを入れ、前後に出し入れするようにゆっくり動かします。さらに、歯の裏側からも同じように挿入して動かします。

歯間ブラシは根元の針金の部分で折れやすいのですが、鉛筆を持つように針金の付け根に近い部分を持つと折れにくくなります。

使用した歯間ブラシは、よく水洗いして乾燥させれば繰り返し使えますが、毛が減ってぼろぼろになったり、ワイヤーが曲がってきたりしたら取り替えましょう。

発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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