訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2011.07

COMECOME倶楽部

肝付町社会福祉協議会が運営する、【デイサービスセンター 国見園】(鹿児島県)では、『お口の健康相談会』の経験を他の施設にも広め、地域福祉のために役立てたいと考えています。

相談会の経験を他の施設にも知ってもらいたい

相談会の経験を他の施設にも知ってもらいたい

最初に日本訪問歯科協会より、利用者様向けの『お口の健康相談会』のお話をいただいたとき、正直言って、職員からは若干、反対する声もありました。
50人くらいの利用者様が皆ちゃんと歯科の先生にお口の中を見せることができるのか、お口の中を見せたくない方もいらっしゃるだろうから、そういう方のプライバシーをどうするかなどの懸念があったのです。
けれども、職員でミーティングをして、誤嚥性肺炎などの病気になるよりもやったほうがいいだろうという結論になり、『お口の健康相談会』の実施にいたりました。

定期的に相談会をしてほしいという利用者様の声も 結果的に、『お口の健康相談会』をやってよかったと思います。先生のおかげで、私たちが日頃口腔ケアを行う中で、見えなかった点、わからなかった点がよく見えてきました。また、Aさんは義歯がゆるかった、Bさんは義歯の洗浄をしたほうがよい、など、お一人お一人にアドバイスをいただいたので状態がよくわかり、とても参考になりました。
利用者様も自分のお口の中がどうなっているのかを気にされていた方も多く、先生のお話に熱心に耳を傾けていたようです。
相談会の後は、自発的に歯磨きや義歯の洗浄を行う方も増え、よい変化が見られました。また、このような相談会を定期的にやってもらえると助かるという声が、利用者様からもありました。 地域福祉のために、いずれは近隣の高齢者も参加できる会に 当施設の運営は肝付町社会福祉協議会が行っています。今回の『お口の健康相談会』のことは広報でも紹介させていただいたのですが、一介護保険事業者として、私たちが広報活動的に広めることで、他の事業者の方にも興味をもっていただけたらよいと思っています。
職員の研修会などもできるとよいですね。義歯の洗浄などについて、職員のケアにばらつきがあると、利用者様に影響が出るのではないかと懸念しています。私どもの協議会にいるヘルパーさんなども含めて、職員全体で研修会ができると、口腔ケアの質の向上につながってよいのではないかと思います。
また、今回の相談会の前に、口腔ケアについてのお話が先生からありました。時間の都合で15分程度でしたが、とてもわかりやすい内容でした。一部の利用者様に限らず、地域福祉のために近隣の高齢者の方々にもチラシなどで告知して、参加していただけるようになるのが理想的だと考えています。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

加齢によるお口の変化他の臓器と同じように、口の中(口腔)も加齢に伴って変化が見られます。また、それによって、さまざまなトラブルも起こりやすくなります。

◎歯…黄色くなる/すり減って短くなる/もろくなる/ひびが入る。

◎歯肉…縮んで弾力性がなくなる/歯が長くなったように見える。
→歯と歯の間にものがつまりやすくなる。むし歯になりやすくなったり、義歯の安定感が悪くなったりする。

◎くちびる…萎縮して弾力性がなくなる。
→口を大きく開けにくくなり、義歯が出し入れしにくくなる。口角びらんを起こしやすくなる。

◎唾液腺…萎縮して、唾液の分泌が低下する。
→自浄作用が低下するので、口の中が汚れやすくなる。咀嚼や嚥下障害を起こしやすくなる。

◎味覚…味蕾の萎縮、口の中の乾燥、薬の服用などにより味覚が変化する。

◎感覚…鈍くなる。
→自覚症状が乏しくなり、発見が遅れて症状が悪化しやすい。

こうした変化があることを踏まえて、口腔ケアを行うことが大切です。

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