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- 2010.09
【デイサービスセンターふるさと】(愛媛県松山市)は、利用者様へのおいしいお食事の提供に力を入れており、おいしく召 し上がっていただくためにも、お口の健康を常に意識していき たいと考えています。
自慢のお食事をおいしく食べていただきたいから
当センターでは、センター内のキッチンで作る温かいお食事が一つの特徴になっています。利用者様にお食事をおいしく召し上がっていただくためには、お口の健康が大切だと、常日頃から考えていました。
そこで、私が以前勤務していた職場でもおつき合いのあった、日本訪問歯科協会にお願いして、利用者様を対象とした『お口の健康相談会』を実施していただきました。
『お口の健康相談会』は水曜日に行ったのですが、他の曜日の利用者様からの「他の曜日には来てくれないの?」というお問い合わせがあったり、参加された方から「次はいつ歯医者さんが来てくれるの?」と尋ねられたりしました。
また、これまで、昼食の後はスタッフが「歯みがきをしましょう」とお声掛けをすることで皆さん歯みがきをしていたのですが、最近では声をかけなくても食後に自発的に歯みがきをされる方もいらっしゃいますので、これも『お口の健康相談会』の成果と言えそうです。 歯医者さんと連携したお口の健康づくりを 当センターの食事は、個々の利用者様に合わせた食事形態をとっていますが、見た目のおいしさや素材の持ち味も重視しています。野菜もやわらかめに茹でることもありますが、硬い素材はなるべくその硬さを味わっていただきたいとも思っています。
せっかくのお食事も歯が丈夫でなければ、本当においしく召し上がっていただくことができません。
食後に歯みがきをしたくないという方もいらっしゃるのですが、お茶でうがいをしていただくところからはじめ、おいしく食べるためには歯の健康が大切なんだということを、折に触れ伝えていきたいと思っています。
そして、『お口の健康相談会』も利用者様が心待ちにしているので、できれば2カ月あるいは3カ月に1回くらいの割合で定期的に継続して行うなど、歯医者さんとしっかり連携して、お口の健康づくりに努めていきたいと思います。
食事介助のポイント一人で食事を食べることができない人には食事の介助が必要ですが、誤嚥することなく安全に飲み込んでいただくことがとても重要です。
寝たきりの高齢者の食事介助の場合は、必ず意識をはっきりさせて、食べる体制を整えていただくことが大切。「食事ができましたよ」などと声をかけて返事を待ち、少し会話をしてから、食事介助に入るようにします。
また、食事のひと口めが特に誤嚥の危険性が高いので、注意が必要です。誤嚥が心配な場合は、舌の上にストローで1?2滴の水を垂らしてごっくんしてもらい、これを2?3回繰り返した後に、食事にうつるとよいでしょう。
1.高齢者と介助者の目線は同じ高さで、なるべく座って食べさせる。
2.ひと口の量は、ティースプーン1杯くらいずつ。
3.口の中のスプーンはすぐに抜かず、高齢者が食いついてから抜く。
4.のどがごっくんと動くのを確認してから、次のひと口を入れる。
5.ごはんなどの固形物と味噌汁などの水分を一緒に取りながら食べる(水分でむせやすい場合はゼラチンで代用)
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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