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- 2010.05
【ベストケア株式会社松山南訪問介護事業所】(愛媛県松山市)で は、ヘルパー向けの口腔ケアの勉強会から日常の業務を振り返り、 介護の現場に取り入れて、きめ細やかなケアを行っています。
勉強会で得た口腔ケアの知識を現場ワークに活かす
ベストケア松山南訪問介護事業所では、年間計画を立ててさまざまなテーマで、毎月、ヘルパー向けの勉強会を行っています。先日は日本訪問歯科協会の協力で、口腔ケアの勉強会を2日間にわたって行いました。
ご紹介いただいた歯科の先生は気さくでおだやかな方で、お話もとてもわかりやすかったです。
のちょっとした実験を行ったりして、大変参考になりました。
これまでは、実際の訪問介護の現場で利用者様が悪い姿勢で飲食している場面に直面していて
も、それがなぜいけないかに気づかないまま、見過ごしてきたこともあったと思います。
けれども、実験で姿勢によってはむせてしまうことを身をもって体験してからは、姿勢の大切さがよくわかり、気を配るようになりました。
また、食後には入れ歯をはずして洗浄したほうがよいということもわかっていましたが、面倒くさがる利用者様もいて、なかなか実行できていませんでした。けれども、勉強会で教えていただいたことで、利用者様に説得力のある説明ができるようになり、入れ歯のケアも実践できるようになりました。 訪問歯科診療が身近な存在になった それから、訪問歯科診療が利用しやすく身近なものだということも、勉強会でお話を聞いて実感しました。
現場での話ではないのですが、ヘルパーのご家族で入院中の方がいて、入れ歯が合わなくて食事が食べられずに困っていたそうですが、訪問歯科診療を依頼したところ、お口の悩みが改善されて、お食事もできるようになったということです。入れ歯が合わない、痛いといっていた利用者様に訪問歯科診療を勧めたというヘルパーもいます。
自分のお口で食べることはとても大切なことなので、状態が改善されるのはとてもよいことだと思います。
ヘルパーの勉強会は今後も定期的に開催していく予定です。お口の清拭の効果や、飲み込みの悪い方の食事の工夫など、具体的に知りたいテーマはいろいろありますので、口腔ケアの勉強会もぜひまた行いたいです。
喫煙習慣と歯周病歯周病は歯垢の中の細菌の増殖によって歯肉が炎症を起こし、進行すればあごの骨まで破壊されてしまう病気。日本人の中高年の8割以上がかかっているといわれる生活習慣病の一つです。
喫煙習慣が歯周病に大きく関与するともいわれており、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、2~9倍も歯周病にかかりすいという報告があります。タバコに含まれるさまざまな化学物質が、お口の健康にもダメージを与えます。
【喫煙によって歯周病が悪化する主な原因】
■歯にタール(やに)が付着し、歯垢や歯石がつきやすくなる。
■ニコチンによって歯肉の血管が収縮し、血流障害が起こる。
■血管の収縮によって歯周ポケットの酸素量も減り、酸素を嫌う歯周病菌が増殖しやすくなる。
■ニコチンなどの影響で、免疫の機能が低下して、炎症が起こりやすくなる。など
歯周病にかかれば、タバコを吸う人は吸わない人より治療の経過もよくありません。禁煙すれば、歯周病にかかるリスクは低下し、治療効果もアップします。その他、口臭が減り、口の中のねばつきも減って、食事がおいしくなるなど、さまざまなメリットがあります。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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