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- 2010.04
【デイサービスセンター フレンズ】(香川県高松市)では、 口腔機能向上加算の申請を目標におき、「お口の健康相談」 も一つのきっかけとして、利用者様の口腔ケアへの取り組み を始めています。
「お口の健康相談」で利用者様だけでなく職員の意識にも変化が
年配の方は我慢強いというか、一度入れ歯を作ったら合わなくても我慢して使い続けている人がとても多いと思います。相談するきっかけもなかなかなかないというのが、実状ではないでしょうか。
私たち【デイサービスセンターフレンズ】では、日本訪問歯科協会からご紹介いただき、昨年、歯医者さんによる利用者様の『お口の健康相談』を行いました。
「歯医者さんが来てくれるならば……」と、入れ歯の不具合をみてもらった利用者様もいて、歯のことを相談していただくちょうどよい機会を作ることができ、とてもよかったと思います。
結果を受けて、後日、歯医者さんに通い始めた方もいらっしゃいますし、訪問歯科診療を利用して、継続的な口腔ケアを行っている方もいらっしゃいます。
また、私たち職員も、「お口の健康相談」を行ったことで、口腔ケアの大切さが今まで以上に実感することができたので、少しずつ意識に変化が表れました。
普段、歯みがきを嫌がる利用者様には、いただいた資料を参考にして声かけの方法をこれまでとは変えてみるなど、少しずつではありますが、アプローチの仕方も変わってきたと思います。 ゆくゆくは口腔機能向上加算の申請を目標に! 「お口の健康相談」は利用者様にも好評でしたので、今後も続けていきたいと思っていて、今年もこれから行う予定です。
そして、職員も口腔ケアについてもう少し知識をもたなければと思っています。認知症のことなどはいろいろ勉強する機会はあっても、お口のこと、口腔ケアのことを勉強する機会は意外と少ないように思います。
当施設でもゆくゆくは口腔機能向上加算に取り組んでいきたいと思っていますので、口腔ケアの勉強もしていきたいと考えています。
痛みを伝えられない人の口腔ケア口の中の痛みは、何からのトラブルを抱えているサイン。その原因を知ることが大切ですが、認知症や病気や障害などによって、痛みを自分ではっきり訴えることができない人もいます。その場合、状態の悪化を防ぐためには、口腔ケアの介助者が、口の中の様子や口腔ケアを行うときの顔の表情や反応などを注意深く観察して、専門家と連携をとる必要があります。
口の中の痛みの原因となる、主なものは次の通りです。
●歯肉炎・歯周病
〈症状〉歯肉の赤みや腫れ、口臭、歯石・歯垢の付着〈反応〉口腔ケアを嫌がる/歯ブラシを手で払ったり顔を背けたりする/歯ブラシに血がつく
●口角炎
〈症状〉口角のただれ、出血
〈反応〉大きく口を開けない、長時間開けられない/歯ブラシが口角に触れると痛がる、顔を背ける
●口内炎
〈症状〉口腔粘膜が赤い/ただれ
〈反応〉歯ブラシを口に入れるのを嫌がる/歯ブラシに血がつく/刺激味の食べ物・飲み物を嫌がる
●ドライマウス
〈症状〉痰や舌苔の付着、口腔粘膜の赤みや乾燥
〈反応〉口腔ケアを嫌がる/顔を背ける。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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