訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2010.02

COMECOME倶楽部

社会福祉法人藤寿会特別養護老人ホーム【星花苑】(兵庫県) では、口腔ケアの勉強会を行ったことで職員の意識も少しずつ変わりはじめました。口腔機能のリハビリテーションとしての口腔ケアの効果に期待し、さらなる情報を求めて今後の勉強会にも意欲的です。

生活の質の維持や向上のために口腔ケアを有効活用したい

生活の質の維持や向上のために口腔ケアを有効活用したい

私ども特別養護老人ホーム『星花苑』でも、日本訪問歯科協会の協力を得て、職員向けに口腔ケアの勉強会を行いました。
介護職員はこれまでも利用者様の歯磨きなどは普通に行っていましたが、きちんと口腔ケアを習ったわけではなかったので、勉強会で得た情報はとても参考になりました。
たとえば、入れ歯のお手入れ。これまでは、歯ブラシでよく磨いたり、洗浄剤につけるだけだったり……。けれども、入れ歯専用のブラシがあることや、その正しい使い方なども教えていただき、入れ歯のお手入れがスムーズにきれいにできるようになりました。

残っている歯を1本でも多く残していただくために 勉強会を行ってからは、口腔ケアに興味をもった職員はたくさんいますが、基礎がまだできていないというか、自分たちがどこまできちんとできているのか、わからない部分もあります。
また、職員自身も歯磨きをするとき、正しい方法がわかっていないと、利用者様の歯磨きもきちんとできないと思うので、口腔ケアに対する職員の意識を高めるような勉強会も必要だと感じています。
今、利用者様のお口の中に残っている歯は少しでも多く残していただきたいので、そのためにも口腔ケアをぜひ実践していきたいですね。 口腔ケアの流れをもっときちんと知りたい それから、口腔ケアの実践的な方法だけでなく、意義といいますか効果についてももっとくわしく知りたいです。
機能的なことは知っているようで案外きちんと知らないこともあると思います。たとえば、口腔ケアを行うことで嚥下の機能がどのように改善されるのか、舌の動きをよくするためにはどんなふうにケアをすればよいのかなど、口腔ケアの流れとリハビリ効果がしっかり理解できるようになれば、どこに重点を置いてケアを行えばよいかが明確に見えて来ると思うのです。
飲み込みが安全になって誤嚥の予防になるなど、口腔ケアによってその方の生活の質が維持できる、向上できるということがわかってくれば、もっと有効に取り組んでいけると思うので、今後もまた勉強会を開き、いろいろ教えていただきたいです。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

入れ歯をはずした後のお口のケア口からはずした入れ歯のお手入れは、衛生面からも、長持ちをさせるためにも大切ですが、残っている歯や歯肉、舌などのケアもきちんと行っていますか? 入れ歯をはずした後は、お口の中もきちんとお手入れすることも大切です。
入れ歯と接している歯肉や上あごには食べかすや細菌などがついていて、放っておけば口内炎などの原因にもなりますから、総入れ歯で自分の歯が1本もなくてもお口の中のブラッシングは必要です。入れ歯をはずした後は口をよくすすぎ、やわらかい歯ブラシなどで歯肉や舌、上あごをブラッシングすると汚れが取れますし、マッサージ効果もあるので血行もよくなります。
部分入れ歯の場合は、入れ歯をはずした後、これ以上自分の歯を失うことがないよう、しっかり磨きましょう。歯がまばらになっているときは、1本ずつていねいに磨き、入れ歯の金具がかかる歯にはに汚れがつきやすいので念入りに磨いてください。
入れ歯をずっとはめたままにしていると、歯肉に負担がかかって血行が抑制されがちになりますから、寝るときには入れ歯をはずして、歯肉を休めるようにしましょう。

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