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- 2009.11
社会福祉法人淳風福祉会【特別養護老人ホーム 旭ヶ丘】(岡 山県岡山市)では、この9月から口腔機能維持管理加算を導 入しました。それを後押ししたのは、日本訪問歯科協会の勉 強会に参加したことでした。
施設と入所者様のための口腔機能維持管理加算
社会福祉法人淳風福祉会には、特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスセンターなど、いくつかの形態の高齢者のための施設があり、そのうち、私が勤務する特別養護老人ホームで、口腔機能維持管理加算のサービスの導入を検討していました。
そんなとき、ちょうどタイミングよく、日本訪問歯科協会から勉強会のお知らせをいただき、参加してみました。
勉強会では歯科の先生にいろいろ親切に教えていただきました。そして、勝手がわからずに戸惑っていた口腔機能維持管理が、思ったよりも簡単に私たちにも行えることがわかり、この9月から取り組みを開始しました。
歯科の先生には、施設に来ていただいて『お口の健康相談』を行い、入所者様のお口の状態を診ていただきました。そして、治療が必要であるとか、専門的な口腔ケアが必要であるとか、お一人おひとりの状態を先生が報告書にまとめてくださいました。
その結果や口腔機能維持管理加算については、ご家族の皆さんにも看護師が電話でご説明しまし
た。中には、「今さら歯の治療なんて」という方もいらっしゃいましたが、「気になってはいたけれど歯医者に連れていけないので、往診していただけるならばぜひ」という方が大半で、理解を得ることができました。 歯科の専門家との連携で効果に期待 口腔機能維持管理加算は、この9月から本格的に始めたところですので、まだまだこれからというところです。
口腔ケアは、今までも看護師や介護福祉士もそれなりに勉強はしてきましたが、歯科の先生や歯科衛生士と連携しながら行うことで、よい効果が期待できると思っています。
中にはなかなかお口を開けてくださらない方もいて、私たちもいつも困ってしまうのですが、先生や歯科衛生士さんは根気よく接してくださいますし、安心してお任せできるので感謝しています。
口腔機能維持管理加算を導入したことで、入所者様にも施設にも貢献できるようになったのではないかと思います。
今後は、さらに口腔ケアの知識を身につけるために、日本訪問歯科協会には、職員向けの勉強会などもぜひお願いしたいと思います。
歯周病歯周病(歯槽膿漏)は、細菌(歯周病菌)の増殖によって歯肉に炎症が起こり、進行すれば歯が抜け、あごの骨(歯槽骨)も溶かしてしまうおそろしい病気です。
日本人では、中高年の8割以上がかかっていると言われています。糖尿病や骨粗鬆症など、ほかの病気によってかかりやすくなります。また、増殖した歯周病菌によって誤嚥性肺炎にかかりやすくなるほか、虚血性心疾患や脳梗塞を起こす確率が高くなることも報告されています。
歯周病は、ゆっくり進行する病気で、初期症状はほとんどありません。次のような症状があれば、歯科医師に相談しましょう。
☑朝起きたときに口の中がねばねばする
☑歯を磨くと歯肉から出血する
☑歯肉が赤く腫れている
☑口臭を指摘されることがある
☑歯間に物がはさまりやすい
☑ぐらぐらしている歯がある
☑歯が伸びてきたように見える
歯周病の最大の原因は歯垢で、そこで歯周病菌がどんどん繁殖することで悪化します。歯磨きをしっかり行い、歯垢をためないことが一番の予防策です。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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