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- 2009.09
デイサービスセンター【えんじゅ南蔵王】(広島県福山市) では、『お口の健康相談』と『ミニ勉強会』でいろいろな知識 を吸収し、口腔ケアをしっかりやっていこうという意識づけ につなげています。
お口の健康相談とミニ勉強会で知識が向上
口腔ケアのミニ勉強会で追求したい感覚が芽生えました
私、デイサービスセンターえんじゅ南蔵王では、日本訪問歯科協会の協力で、利用者様への『お口の健康相談』と、職員を対象とした『ミニ勉強会』を実施しました。
利用者様の中には、歯医者さんに行きたくてもなかなか行かれない方が多いので、歯科の先生にこちらまで出向いていただき、お口の状態を診ていただけたことは、利用者様、ご家族、そして私たち職員にとっても、とても有意義なことでした。
義歯の金具が壊れていたことや、むし歯になっていることなど、それまでなかなか気づくことができなかった、お口のトラブルがいろいろ見つかりました。
『お口の健康相談』の結果は一人ひとり書面にまとめていただきましたので、ご家族の方にもお知らせすることができました。結果を踏まえて、来ていただいた先生に訪問歯科診療をお願いした方や、ご自分のかかりつけの歯医者さんにお願いする気になった方などもいらして、お口の健康相談はとても好評でした。
また、職員向けに行われたミニ勉強会もいろいろと参考になりました。これまで、入れ歯に傷がつくから歯ブラシでのお手入れは避け、口腔ケア用のスポンジブラシで入れ歯の洗浄を行っていました。けれども、研磨剤が入っている歯磨き粉をつけて磨かなければ、ブラシを使っても大丈夫だというアドバイスをいただき、そうだったのかと納得しました。
また、舌苔はつきすぎれば口臭などの原因になりますが、取りすぎるのもいけないというお話も大変参考になりました。
朝、歯磨きをしてきたというのに口臭がある利用者様がいらしたら、口臭の原因は何だろう、もしかしたら食べ物かしらと、その原因を追求しようという感覚が芽生え、ミニ勉強会を行ったことで、職員の口腔ケアに取り組む意識が、少しずつ変わってきたように思います。
(灰谷さん) レクリエーションだけでなくためになるデイサービスを目指したい
知識が身につく勉強会はとても有意義であり、これからもぜひいろいろと取り組んでいきたいと思っています。
私たち職員はもちろん、利用者様やご家族の方にも興味をもっていただき、参加していただけるような勉強会もよいと思います。
ここにいらしてくださる利用者様に、レクリエーションだけでなく、知識も盛り込んでいけるような、ためになるデイサービスを目指していきたいと思っています。
(間柴さん)
糖尿病と口腔ケア糖尿病は、40代以上の10人に1人がかかっていると言われるほど、日本人の代表的な生活習慣病の一つで、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足して、血糖値(血液中の糖)が異常に高くなる病気です。
糖尿病になると、口の中が乾きやすくなるため、唾液の分泌量も低下し、口の中が汚れやすくなって口臭がきつくなります。
また、免疫力が低下するので歯周病になりやすく、治りにくいことも知られています。高血糖の状態が続くと白血球の機能が低下するために炎症が進み、組織が壊れやすくなるからです。
糖尿病の人の7~8割が歯周炎などにかかっているといわれています。さらに、感染に対する抵抗力も弱くなるため、歯周病から重症の感染症を引き起こす危険性もあります。
一方で、歯周病を治療すると血糖値がコントロールしやすくなるなど、歯周病の改善が糖尿病の改善に関係することが近年報告され、注目を集めています。
つまり、お口の中を清潔に保つことで、二次的な感染症を防ぐだけでなく、糖尿病の進行も抑えることができるかもしれません。
糖尿病の人は特に口腔ケアをしっかり行い、歯科での定期的な検診も行いましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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