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- 2009.02
CHIAKIほおずき姫路西宮(兵庫県)では、利用者様向けの「お口の健康相談」を開催。その結果もふまえ、口腔ケアの大切さを利用者様にもっと伝えていきたいと考えています。
「お口の健康相談」の結果を状態の向上につなげるために
昨年10月に、私たちの施設でも、「お口の健康相談」を行いました。日本訪問歯科協会から送られてきたダイレクトメールで、そうしたサービスがあることを初めて知りました。
それまでは、口腔ケアについては、お口の体操をしたり、大きな声を出したり、食後のうがいをうながしたり、職員ができる範囲でやっていましたが、お口の中を見るような、ケアの取り組みは行っていませんでした。
利用者様ご本人にもご家族の方にも喜んでいただけたようです。高齢の方ですと、多少の不自由を感じていても、私たちのように気軽に歯医者さんに行くことがなかなかできないので、デイサービスに来たついでに、歯医者さんに見ていただけたということが、とてもよかったようです。
お口の健康相談では、先生がお一人一人の状態を、書面にしてくださいました。訪問歯科診療をお願いした方や、通院できる方は近所の歯医者さんに通い出したというようなお話も聞いていますので、お口の健康相談をやってみてよかったと思います。 「治療もここでしてほしい」という利用者様の要望も 実施後、先生にまた来ていただいて、今度は治療もこの施設の中でやってほしいという利用者様の声も多く聞かれました。お口の中をみてもらえたんだから、治療もここでできると思われた方が多かったようです。要望が多くても、デイケアの介護保険のサービスの中では、治療まではできないことを説明して、治療は歯科医院か訪問歯科診療で受けていただくようにお願いしました。
でも、お口の健康相談の結果の書面を見ると、「要治療」と書いてあった方がけっこういらっしゃったのですが、実際に治療を始められた方はまだまだ少ないことが、少し気がかりです。お口の中に不具合があっても、治療の必要性をあまり意識していない方が多いようなのです。
私たちとしても、お口の健康の大切さや、口腔ケアの重要性について、もっと説明をしていかなければいけないと考えています。
お口の健康相談は、これからも定期的に続けていけたらいいと思います。また、お口を健康に保つ予防法や、口腔ケアの方法を教えていただく勉強会などもやっていただけるとありがたいです。口腔ケアの大切さはわかっていても、私たちだけではできないことも多いので、専門家の先生にしっかり指導していただきたいと思います。
高齢者のお口の状態体のほかの部分と同じように、口の中にもさまざまな老化現象が起こっています。唾液の分泌量の減少、歯の摩耗、歯茎のやせ、あごや舌の運動機能の低下などによって、高齢者の口の中はトラブルを抱えやすくなっています。多かれ少なかれ、高齢者は口の中にはなんらかのトラブルがあるといっても過言ではありません。
特に介護が必要な高齢者の場合、他人の口の中はなかなかのぞきにくいために、状態が把握しづらいもの。けれども、気づかずに放っておけば、トラブルは大きくなり、食べたり話したりという口の機能が衰えたり、体力が低下したりします。
高齢者に多い口のトラブル・むし歯
・歯石、歯垢
・歯周病
・口内炎
・入れ歯が合わない
・舌苔
・ドライマウス
・きつい口臭
など。
歯磨きは本人にまかせきりだったり、後回しになったりしがちですが、口腔ケアをしっかり行い、お口のトラブルを軽減させましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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