- 47
- 2008.01
日頃から口腔ケアを積極的に取り入れている「せいれい逆瀬台デイサービスセンター」(兵庫県宝塚市)。年1回、お口の健康相談を行うようになってから、利用者様のお口への関心も高まっています。
「デイサービスに行ったら歯医者さんが診てくれた」ことの喜び
私たち「せきれい逆瀬台デイサービスセンター」では、一昨年に引き続き、昨年9月にも日本訪問歯科協会の協力により、お口の健康相談(歯科検診)を行いました。
高齢になると、お口のことが気になっても歯医者さんに行く機会はどうしても減ってしまいがちです。一人では行きたくても行かれなかったり、家族に負担がかかるのではないかと遠慮して、「歯医者に行きたい」と言い出しにくいようです。
だから、「デイサービスに行ったら、歯医者さんに口の中を診てもらえた」ということで、お口の健康相談は利用者様からも大変好評です。
そして検診を受けたことによって、それが訪問歯科診療へとつながっていくケースもあります。「往診で先生に診てもらえるようになってよかった」とうれしそうにおっしゃっていた利用者様の声が印象に残っていて、よい感じで取り組めているのではないかと思っています。
今では利用者様の8?9割が食後の歯磨きを行っています。こちらから声をかけなくても、昼食を食べ終わると自分から洗面所に向かって歯磨きをする方もいらっしゃいます。「歯磨きをすると気持ちがいいね」という言葉も聞かれるようになり、口腔ケアが着実に浸透してきたように思います。
また、「誤嚥性肺炎」を気にされている利用者様やご家族も多く、この1年半で口腔ケアへの関心が高まり、認識が変わってきたことを実感しています。 デイサービス、歯科検診、訪問歯科の連携 これからも、お口の健康相談は年1回くらいのペースで続けていけたらよいと思っています。私どもとしてもとても有意義なサービスの提供につながりますし、何よりデイサービスに歯医者さんが来てくれることを利用者様が楽しみにしています。利用者様の喜ぶ姿を見るのは、歯科の先生にとってもやりがいになるのではないでしょうか。双方の思いが相まって、訪問歯科診療の需要も増えているのだと思います。
実際問題として、お口のケアや治療を必要としている方は多いのが実情です。当施設は入所施設ではないので、お家でのケアまではどうしても目が行き届きません。そのあたりは訪問歯科でフォローしていただけたらよいですね。
高齢者のむし歯年齢と共に歯も老化していきます。健康な歯は固いエナメル質によっておおわれていますが、高齢になると、エナメル質がすり減ったり、歯肉がやせて歯の根元の部分が露出したりします。また、唾液の分泌が減ると口の中の洗浄力も落ちてくるので、高齢者はむし歯になりやすいのです。
日本は、男性の平均寿命は78歳、女性は85歳と、世界一の長寿大国です。しかし残念ながら、歯の寿命は50?60歳代で、高齢になるに従って歯を失う人が多いのが現状です。
けれども、日頃から歯みがきなどの口腔ケアをしっかり行っていれば、歯の寿命ももっと延ばすことができます。
根元がむし歯になると、歯が折れて根っこだけ残ります。1本なくなると、隣り合った歯が倒れたり、噛み合わせに支障が出てきたりしますので、早めに治療することが大切です。
こんな人は要注意・食後の歯磨きをしない
・歯肉が縮んでしまい、歯が長く見えている
・歯垢、歯石がたまっている
・口臭がある
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
〒101-0037 東京都千代田区神田西福田町4 ONEST神田西福田町ビル8F TEL:03-5297-5073 FAX:03-5294-1150