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- 2007.02
「ケアパートナーつくば」(茨城県つくば市)では、お客様の生活の 質の向上のために、デイサービスのときだけでなく、普段から口腔 ケアを習慣化していただけるような働きかけをしています。
口腔ケアを日常の習慣にしていただくために
私たち「ケアパートナーつくば」では、2004年の設立当初より口腔ケアに取り組んできました。
食べることは体力と健康を維持する基本ですから、まずは「おいしく食べていただくにはどうしたらよいか」という、食事の取り組みからスタートしました。そのとき、逆においしく食べられない状態とは何かと考えてみれば、歯がない、入れ歯が合わないなど、お口の中の状態が大きく関連してきます。そこで、食後の歯みがきやうがいなどのケアを行ってきました。
そして、日本訪問歯科協会からの勧めで、歯科検診も実施するようになりました。
以前は、口腔ケアのお声がけをしても面倒くさがって嫌がる方もいました。けれども、続けていくうちにだんだん習慣化し、今では「お食事、終わりましたか?」と声をかけると、「あ、歯みがきだな」と、皆さんがご自分の歯みがきセットをもって自主的に洗面台に行くようになりました。
歯科検診のとき、先生に「ここの皆さんは歯石も少なく、お口の中がきれいですね」とほめていただき、そのことをお客様に伝えたら、皆さん喜んでいました。これは日頃の口腔ケアの成果だと思います。この喜びがさらにやる気へとつながっていきます。
また、口腔ケアが定着してから、お食事を残す量もずいぶん減りました。 デイサービスは在宅生活の延長線上にある ご自宅でも食事前にパタカラや舌体操をしているという方もけっこういらっしゃいます。
デイサービスは在宅生活の延長線上にあり、自分ではできにくいこと、習慣化されていないことを自宅でできるようにお手伝いするのが、私たちの役割だと思っています。
ですから、ここに来ているときだけでなく、ご自宅でも口腔ケアを習慣化していただくために、強制するのではなくて、楽しんで日頃のお手入れをしていただけるような雰囲気を心がけています。
また、ご自宅でできる体操などの資料をお渡しして、口腔ケアの目的と必要性を説明し、センターとご本人、ご家族の方と一緒に、生活の質が向上するよう取り組み、働きかけをしています。
口腔ケアQ&A(2)Q.口腔ケアの介助をするとき、嘔吐反射が激しくて、歯みがきがうまくできません。
A.奥歯や舌の奥などは、歯ブラシの刺激によって「オエッ」っという嘔吐反応が起こりやすくなります。
そこで、
●なるべく泡を立てないように歯みがき粉は少量にするか、つけずにみがく
●舌や奥歯は手早くみがく
●できるところだけブラッシングし、あとはうがい薬などでうがいする
などの方法を試してみてください。
Q.うがいがうまくできません。
A.意識レベルが低下している人、片まひの人、寝たきりで上半身が起こせない人などは、うがいは誤嚥の危険があります。ブラッシング後は、吸い飲みなどで水をかけて洗い流します。水で湿らせたガーゼを指や割りばしにまきつけて、歯の表面をこするだけでも、ある程度のよごれや歯垢をふき取れます。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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