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- 2006.09
株式会社ジャパンケアサービス(本社/東京都豊島区)のハッピー 高井戸デイサービスセンターでは、目標とゴールを設定しながら、 口腔ケアのステップアップを図っています。
目標をしっかり決めれば、それに向かって前向きに取り組むことができる
私ども「ハッピー高井戸デイサービスセンター」では、デイサービスにいらっしゃる利用者様のほぼ全員が口腔ケアに取り組んでいます。私たちも最初は戸惑いつつ、試行錯誤で段階を踏みながら今日に至っています。
介護保険の中に口腔ケアが導入されると聞いたとき、正直言って大変だなと思いました。デイサービスの限られた時間の中で、これまでの内容にプラスして口腔ケアも、となると、時間がいくらあっても足りないと思ったのです。
けれども、やるからにはきちんと取り組みたいので、まずは歯医者さんや歯科衛生士さんなど、専門家の方からきちんと教えていただくことにしました。自分たちが勉強をしてしっかり理解していなければ、利用者様に対して説得力がないと思ったからです。
当初は1年後くらいに全員が口腔ケアをやれるようになることを目標にしていたのですが、専門家に直接お話をしていただいたことは、予想以上に効果的でした。だれもが、自分の口でおいしいものを食べて元気で長生きしたいと思っています。専門家から話を聞いたことで利用者様自身が納得でき、前向きになったようです。
最初に想定した、利用者様が食後に洗面所に行き、うがいや入れ歯のお手入れをするという目標は達成できたので、今度は、歯が抜けないようにする、入れ歯にならないようにするなど、「予防」を次の目標にしました。
ただ「やりましょう」というのではなく、目標を決めた方が、そこに向かってやる気が出てくるものです。 説得力のある口腔ケアの説明のために 口腔ケアなんて縁のないことだと思っていた方も、1回やってみると気持ちがいいので、だんだんと習慣になるようです。今はまだこちらからお声がけをしていますが、食後にご自分の判断でふらっと立ち上がって洗面所に行ってくださるようになればもっとよいと思います。
最近では、先生のお話の内容もだんだん濃くなり、基本的な歯磨きから、さらに細かい磨き方や入れ歯洗浄剤の種類など、より具体的になってきました。
口腔ケアは、特別楽しいものではないけれど、前向きに取り組めばよい結果が得られることを利用者様に理解していただくことが大切です。そこに導いていくのが私たちの仕事でもありますが、専門家のご協力も必要です。
お話だけでなく、グラフやスライドなど視覚的なものも取り入れて説明していただくとよりわかりやすいので、日本訪問歯科協会や専門家の方からの新しいアプローチや企画にも期待しています。
ぴったり合った入れ歯で表情も若々しくせっかく入れ歯を持っていても、「面倒くさいから」「合わないから」などの理由から、入れ歯をしなくなってしまう人も多いようです。
けれども、入れ歯をはずしていると、一見するとみな同じような顔に見えてしまうことがあります。口の周りに独特なしわがより、口元がすぼまった、いわゆる「梅干し顔」です。
しかし、自分にきちんと合った入れ歯をしていれば、口元が引き締まり、表情が豊かになります。印象も若々しくなり、言葉もはっきりするので、他人との会話も楽しくなってきます。
入れ歯は、失った歯を補って物を食べられるようにすることだけが役割ではなく、その人の個性や人格を取り戻すための道具でもあるのです。
入れ歯は一生ものではなく、使っているうちにだんだんと合わなくなってくることもあります。特に入れ歯に不具合がなくても、半年から1年に一度くらいは、入れ歯の定期検診をするとよいでしょう。
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