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- 2006.05
高齢者の生活文化向上のために、福祉用具のレンタル・販売やデイサービスなどのケアウェル事業を展開する、ピップトウキョウ株式会社(本社/東京都千代田区)では、口腔ケアも含む介護セミナーを開催し、介護業界全体の情報交換に努めています。
介護業界の他業種協業のためには、情報交換と共有が重要
介護業界のサービス内容はさまざまであり、業種の違う人々が大きく関わって成り立っています。利用者様のためにサービスを充実させていくには、他業種協業の体制が重要であり、情報交換の必要性を強く感じていました。
そこで、さまざまな業種の人々が知識を共有できる場として、昨年より介護セミナーを企画しています。これまでに、介護予防に関連するテーマで、7回のセミナーを開催しました。第1回目は「排泄関係」、2、3、4回目が「運動機能の向上」、そして、5、6、7回目は日本訪問歯科協会のご協力をいただいて、「口腔ケアと食」をテーマに設定しました。
日本訪問歯科協会の存在はホームページで知りました。協会では啓蒙活動に力を入れているようでしたので、お問い合わせをさせていただき、口腔ケアのセミナーのご協力を得ることになったのです。
セミナー以前は、私どもも、参加したケアマネージャーさんや介護福祉従事者の皆さんの多くも、「口腔ケアの重要性」はよく耳にしていても、その実態はよく理解できていませんでした。けれども、セミナー後は実感をもって理解を深められたことは、大きな収穫となりました。
また、当社では、日常的な口腔ケアのグッズを扱っていますが、お問い合わせはあまりありません。けれども、セミナー後は問い合わせも少しですが来るようになりました。
実際の売り上げにすぐ反映されるものではありませんが、当社の営業職もセミナーに参加して口腔ケアの情報を得たことで、ケアマネージャーさんとコミュニケーションを取る際の話題が一つ増えたことは、初めの一歩としてはよかったと思います。
今回は、横浜、松戸、墨田の3カ所で開催しましたが、ほかの拠点でも行って、情報交換の活動が発展していけばよいと考えています。 お口の健康相談会でケアへの意欲が生まれる セミナー以外でも、デイサービスで『お口の健康相談会』を実施していただきました。正直なところ、利用者様からの事前予約は少なかったのですが、当日に他の方が相談している光景を見て、「それならば自分も相談したい」と当日参加された方も結構いました。
ある利用者の方は、歯医者さんはむし歯の治療に行くだけの所と思っていたけれど、日常のケア方法を教えてくれたり、相談にのってくれることを始めて知ったとおっしゃっていました。
口腔ケアは、情報がないからやらなかっただけであり、何をやったらよいのかがわかれば、ケアの意欲も出てくるのだということを、利用者様と歯科の先生のやりとりを聞いていて感じました。
よく噛むことの8つの効果1.胃腸の働きを促進する
唾液中の消化酵素の分泌がさかんになり、細かくかみ砕けば胃腸への負担を和らげます。
2.むし歯、歯周病、口臭を予防する
唾液の分泌が増え、唾液の抗菌作用によって口の中の清掃効果が高まります。
3.肥満を防止する
ゆっくりたくさん噛むと満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぎます。
4.脳の働きを活発にする
噛むことで脳への血流が増加し働きを活発にするために、脳の若さを保って老化を防止します。
5.全身の体力の向上
よく噛めば全身に活力がみなぎり、体力が向上します。
6.味覚が発達する
じっくりと味わうことができ、味覚が発達します。
7.発音がはっきりする
口のまわりの筋肉が発達し、言葉の発音もはっきりします。
8.がんを予防する
唾液に含まれるある酵素には、食品中の発ガン物質の発ガン性を抑制する効果があると言われています。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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