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- 2005.07
ご家族みんなが笑って過ごせる環境作りをモットーに、訪問介護とデイサービスを全国展開する「ヒューマンライフケア」(ヒューマンリソシア株式会社/本社:東京都)では、高齢者の自立支援の一つとして、口腔ケアを重要視しています。
「自分の口でおいしく食べる」自立支援としても口腔ケアは重要
2005年2月より、日本訪問歯科協会所属の歯科医師の協力により、私たち「ヒューマンライフケア」のデイサービスで、「お口の健康診断」という無料歯科検診を行っています。
私が担当している東京・板橋地区では20名ほどが検診を受けました。その結果、半数の方から、さらにくわしく先生に診てもらいたいとの希望があり、口腔ケアや治療の申し込みをいただきました。
その楽しみの一つが「食べること」です。もしお口に何らかの不具合があり、それが自分で食べることの妨げになっているのだとすれば、その原因を取り除くことが大切です。そういう考えから、食べることの自立支援として、口腔ケアを取り入れていくことが重要だと考えています。
デイサービスはこれからの在宅介護を行うにあたって、キーになるポジションにあると思います。高齢者の日常生活を喚起するために、デイサービスをご利用していただくという意味合いも強まってくることでしょう。そのために、自分ででききることは自分でやるということを高齢者ご自身、そしてご家族の方にもご理解いただきながら、私たちも一緒に取り組んでいきたいと思っています。 ノウハウを蓄積し口腔ケアの実践につなげたい 現在、ヒューマンライフケアでは、デイサービスにお越しいただいた時、最初にうがいと手洗いを励行しています。これは風邪などの感染症の予防にもなりますし、目もすっきり覚めるからです。しかし、食後のうがいや口腔ケアは、まだ十分には取り組めていません。
自立支援を行っていくためには、筋力トレーニングと並んで、口腔ケアは非常に重要なものだと考えています。口腔ケアやお口のリハビリ体操などもどんどん取り入れていきたいと思っているのですが、我々の知識や実践するためのテクニックなどが伴わないために、まだ実践には至っていないのが現状です。
最近では国も口腔ケアの重要性を謳っていますが、明確な展開はまだ描けていないのが実情だと思います。今後は、日本訪問歯科協会にもご協力いただいて情報収集しながらノウハウを蓄積し、口腔ケアについて国に提案できるくらいの気概をもって、いろいろとチャレンジしていきたいと考えています。
ミキサー食をおいしく作る自分で噛むことがほとんどできない人や、誤嚥しやすい人には、食品をミキサーにかけてドロドロにしたミキサー食が適しています。
介護食は食べやすさが第一になるため、見た目はどうしても二の次にされがち。けれども、「食べたい」という意欲をもってもらうには、おいしく作るくふうも大切です。
味付けはしっかりときちんと調理したものをミキサーにかけます。どうせ形がなくなるからと生煮えの状態で使えば、当然、味が落ちます。形がなくなる分、味付けにはこだわりましょう。
固さを調節スープや牛乳など水分を加えて固さを調節します。状態に応じてとろみをつけたり、ゼラチンや寒天などで固めたりします。乾燥にも注意。
盛りつけを美しく調理したものは1品ずつミキサーにかけて、盛りつけます。器や彩りにも気を配りましょう。どうせお腹の中で一緒になるからと、食べ物を全部一緒にミキサーにかけるのは避けましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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