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- 2005.02
ホームヘルプや訪問看護、ケアマネジメントやデイサービスなど、高齢者の生活支援サービスを展開する『ファミリーサポートセンターもも』(東京都葛飾区)の、食事を介した口腔ケアの取り組みをご紹介します。
ゆっくり噛んでおいしく食べる
高齢で介護が必要な状態になっても、住み慣れた家で安心して生活していただけるよう、私たちはさまざまなお手伝いをしています。
口腔ケアに関しては、まだまだ勉強しなければならないことはたくさんあるのですが、利用者の皆様の楽しみでもある、食事の時間に私たちなりにいろいろと気を配っています。
まず、基本的なことですが、お口の中を殺菌するために、デイサービスにいらしたら、手洗いとうがいをしていただきます。
また、食事のときは口に入れた物は細かくなるまでよく噛んでいただくよう、声をかけています。食後もお茶を飲むことで、お口の中をすすいでいただくようにしています。
そして、職員は利用者様に「ハイ、がんばってよく噛んでください!」とか、「時間は気にしなくてよいので、ゆっくり噛んでくださいね」などと声をかけます。すると、「こんな感じでいいのかい?」とか「まだかい?」など利用者様とのコミュニケーションも深まり、皆さん、けっこう楽しみながら、食事をしてくれているようです。
「もも」は平成15年4月に開設し、まだ2年足らずなので、利用者様もまだそれほど多くはありません。けれども、だからこそ、職員と利用者様が密着でき、お互いに楽しい時間を過ごせているのではないかと思っています。 女性歯科医師の活躍にも期待 「もも」では、希望者には訪問歯科診療もご紹介しています。高齢者が歯医者さんに通院することは難しく、あきらめている方が多かったので、家に往診に来てくれるなんて、幸せな時代になったと思います。
往診するのは男性の先生が多いようですが、利用者様に希望をとったら「女性の先生がよい」という要望がありました。そこで、日本訪問歯科協会にリクエストしたところ、希望通り女性の先生が来ていただけることになり、私たちも利用者様も喜んでいます。
長寿社会では女性のほうが長生き。女性同士だと親しみと安心感があるようなので、今後は訪問歯科でも女性歯科医師の活躍に期待しています。
体調が悪いときの食事<1>口臭予防の食事
口臭の原因の多くは、口の中の細菌が糖を分解するときに発生する物質(揮発性硫化化合物)です。むし歯や歯周病などによって、さらに悪臭になります。
糖がむし歯の原因菌のエサになり、口臭を強くするので、歯につきやすいクッキーやビスケットなどはなるべく避けるか、食べるときは水分をたっぷり取るようにします。
また、唾液の分泌をよくするために、レモン汁を少しくわえた水などを食前に飲みます。また、お茶を飲むのも効果的。お茶に含まれるカテキンは、口臭を抑える効果があります。
【抹茶ムース】
抹茶をお湯で溶き、牛乳、卵黄、生クリーム、砂糖を加えて泡立てて、ゼラチンで固めます。抹茶のカテキンで口の中がさわやかに。
【焼きなすのしょうが添え】
とろとろの焼きなすを、しょうがをたっぷりつけただし汁でいただくと、口がさっぱりします。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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