訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

  • 20
  • 2004.12

COMECOME倶楽部

介護付き優良老人ホーム「アミーユ宝塚山本」(宝塚市)では、週1回の往診と、歯科衛生士によるブラッシング指導など、充実した口腔ケアを実現させています。

歯科の先生の往診を入居者は心待ちにしています

歯科の先生の往診を入居者は心待ちにしています

往診車で診察していただくようになって2年。当初は入居者様は戸惑い気味でしたが、今では「歯医者さんの車があんたを迎えに来たで?」と、入居者同士の会話のタネにもなっています。
以前、歯槽膿漏がなかなか治らない方がいて、黒木先生から「老人性の紫斑病」の可能性があると指摘されました。内科医に相談すると大きな病院での検査を勧められ、総合病院へ行くと、やはり紫斑病だと判明。総合病院の先生は「この病気をよく見つけましたね」と感心していましたが、歯科と内科の連携で早期発見できたのです。
この4月からは、若手の先生が往診に来てくれます。物腰がソフトでていねいに対応してくださり、「男前の先生」と呼ばれて人気者です。女性の入所者様は往診を心待ちにし、積極的に治療を受けるようにもなりました。
歯科医師とケアスタッフ、そして入居者様のよい関係ができてきたと思います。

勉強会で変わった口腔ケアの意識 職員向けの口腔ケアの勉強会を開いていただき、大きな収穫を得ました。口腔ケアの意識も、これまでの「ここまでやればいいか」から「これをしないと大きな病気につながる」へと変わりました。
また、いろいろな歯磨きグッズやコツを教えていただき、まだ十分ではないけれど前向きに取り組んでいます。
今後は職員だけではなく、ご家族向けの口腔ケア勉強会もぜひやっていただきたいです。内科や外科の異常には、ご家族の方もすぐに対処してくださいます。しかし、歯のこととなると、一見、具合が悪そうに見えないので軽視されがち。その意識を変えるきっかけになれば、と思います。 歯の健康での表彰を目指します! 入居者 中山久子様
「往診だと待合室で長時間待たされることもなく、とても助かっています。先生に会うのも楽しみ。私は入れ歯ではなく、自分の歯が多く残っていて、以前住んでいた三重県名張市では表彰を受けたんです。今度は宝塚でも表彰されるよう、がんばります」

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

口腔ケア法の再チェック●日常生活から
口の中の状態を観察
口を開けて覗かない限り、口の中の異常はなかなか気づきにくいものです。日常の様子に気を配り、次のような症状が見られたら、口の中にトラブルのある可能性が高いので、口腔ケアを見直し、歯科医に相談しましょう。
●こんな症状は要チェック
☑口臭がきつい
☑歯肉からよく出血する
☑歯がぐらぐらしたり、歯が抜けてしまった
☑入れ歯が黒ずんできた
☑口を動かすと入れ歯がはずれやすい
☑食べたり飲んだりするとむせやすい
☑食が細くなった
☑濃い味を好むようになった
☑熱を出したり、風邪をひいたりしやすくなった
☑寝つくことが多くなった
☑口数が少なくなった
☑表情が乏しく、閉じこもりがちになった
☑痴呆症状がある
☑糖尿病がある
☑麻痺などの運動障害がある

発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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