訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2025.02

COMECOME倶楽部

あさひヶ丘訪問看護ステーション(埼玉県)は、がんや慢性疾患をはじめとする幅広い分野に対応した機能強化型Iの訪問看護ステーションです。2024年度から新設された口腔連携強化加算による訪問看護と歯科医療との連携で、利用者様の健康状態の維持につなげることに期待を寄せています。

訪問看護と歯科医療の連携で、利用者様の健康状態の維持に期待

訪問看護と歯科医療の連携で、利用者様の健康状態の維持に期待 あさひヶ丘訪問看護ステーション係長・がん性疼痛看護認定看護師 宮田 奈々さん あさひヶ丘訪問看護ステーションでは、がんや慢性疾患のなど医療依存度の高い利用者様の訪問を行っています。私はがん性疼痛看護認定看護師の資格を持っており、日頃から終末期の方の疼痛のコントロールや在宅での看取りなどのご依頼も多くいただいています。

スタッフ教育もしっかり行い、リハビリの専門スタッフとも連携しながら、質の高い訪問看護を提供できるように、一丸となって取り組んでいます。 勉強会で口腔ケアの重要性を再認識 これまで、口腔ケアは看護ケアに組み込んでおり、訪問リハビリでも嚥下に対してアプローチするなどの連携はとってきましたが、歯科医療と直接的に連携する機会はほとんどありませんでした。

そのため、利用者様から「入れ歯が合わない」などお口に関する相談を受けても情報の引き出しが少なく、「歯医者さんに行ってください」「訪問歯科もあるのでケアマネさんに相談してみてください」とご案内するくらいでした。

そうした中で、2024年度から訪問看護における口腔連携強化加算が新設され、当ステーションでも導入に向けて日本訪問歯科協会の協力のもと、勉強会を実施しました。口腔ケアが疾病の予防や全身の健康維持につながることは訪問看護を行う上で日々感じていたことでしたが、勉強会で改めて認識することができました。 口腔連携強化加算に寄せる期待 口腔連携強化加算を導入することで、看護師やリハビリスタッフも利用者様の口腔内を評価するという形で直接的に関わり、歯科医療機関との連携体制もできます。

私達は日頃から定期的に利用者様のところへ訪問して、健康面での相談をしやすい関係性を築いていますので、必要となる口腔内のケアや治療につなげやすくなるのではないかと思います。

特に慢性疾患をもつ高齢の利用者様では、嚥下力が低下した時に経口摂食を続けるべきかどうかという岐路に直面することがよくあります。訪問看護と歯科医療が連携することで、口腔機能や衛生状態が維持され、健康でいられる状態が少しでも長くなることにつながるのであれば、口腔連携強化加算はとても有意義な制度だと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

花粉症と唾液腺マッサージ春はスギやヒノキの花粉症の季節です。日本人の3人の1人が花粉症だと言われており、毎年、憂うつな春を過ごしている人は多いことでしょう。

花粉症でくしゃみや鼻水、鼻づまりの症状によって鼻呼吸がしづらくなると、自然と口呼吸になって口腔内が乾燥してしまいます。口腔内が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下して、さまざまな雑菌や細菌が繁殖しやすくなり、口臭が強くなったり、歯周病やむし歯になりやすくなったりなど、さらなるトラブルを引き起こしかねません。

また、花粉症の治療薬の影響で唾液の分泌が減少して口の中が乾きやすくなるケースもあります。

乾燥を抑えて口腔内を潤すためには、こまめに水分補給を行いましょう。また、口の中で唾液を生成する唾液腺のマッサージを行うことも効果的です。

主な唾液腺は、両耳の下側にある耳下腺、下顎の左右にある顎の下にある顎下腺、舌の下側にある舌下腺です。それぞれの唾液腺を親指の腹で押すようにマッサージすることで、唾液の分泌が促進されて、口腔内が潤されます。

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