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- 2024.11
夢眠ホーム三重が運営する介護付有料老人ホーム「夢眠すずか」(三重県)では、入居者様向けの『お口の健康相談会』を実施した後、訪問歯科診療も導入しています。歯科医師や歯科衛生士のチーム体制での対応を、とても心強く感じていると言います。
歯科医院がチーム体制で対応してくださる安心感
夢眠ホーム三重 夢眠すずか 施設長 服部 俊介さん
2024年8月と9月の2回に分けて入居者様向けに『お口の健康相談会』を実施しました。
今回、ルピナス歯科の先生に来ていただきましたが、入居者様にとても優しく接してくださいました。そのおかげで、皆さん笑顔で『相談会』に参加されていたことが印象に残っています。お口の状態もていねいにわかりやすく説明してくださっていたので、入居者様も私たち職員も、しっかりと理解することができました。 歯医者さんの訪問に喜びの声
当施設の入居者様は、とてもお元気の方から寝たきりの方まで、状態もさまざまです。介護職員もこれまで口腔ケアを行ってはいましたが、約50人いらっしゃる入居者様お一人お一人の状態に合わせて、精度の高いケアを行うことは難しい状況にありました。
また、もともと協力してくださっていた歯科医院もあったのですが、先生お一人しかいらっしゃらなかったので、急な対応などは難しいこともありました。
『お口の健康相談会』以降は、ルピナス歯科さんに訪問歯科診療に来ていただくことになりましたが、歯医者さんと歯科衛生士さんとのチーム体制で対応していただけるのでとても助かっています。口腔ケアも歯科衛生士さんがきちんとやってくださいます。
高齢の方ですと、一人で、あるいはご家族の方と一緒に歯医者さんに行くことも大変です。「訪問」という形で歯医者や歯科衛生士さんが施設に来てくれるのはとてもありがたいという、喜びの声がたくさん寄せられています。 専門家の力を借りながら職員のスキルアップにつなげたい
訪問に来ていただくようになってからまだそれほど長い月日は経っていませんが、特に問題もなくとてもスムーズに導入できています。今のところ、原則として月2回くらいのペースですが、歯肉からの出血など緊急時にはすぐに対応していただけるので、こうして歯科医院との連携ができたことは非常にありがたいです。
口腔ケアについては、専門でやっておられる歯医者さんや歯科衛生士さんにお手伝いいただきながら勉強会なども行い、現場の職員のスキルアップにつなげていけたらいいなと思います。
口腔乾燥と口腔ケア腔機能が低下すると、唾液の分泌が減って口腔内が乾燥しやすくなります。口腔乾燥は「ムーカス」と呼ばれる口腔水分計で計測し、測定値が27未満の場合は、口腔乾燥の状態と診断されます。
専門の測定器がない場合でも、乾いたガーゼを使って計測することができます。ガーゼを2分間?んで染みこんだ唾液の量(重さ)をデジタルスケールで測定します。唾液の量が2グラム未満の場合は、口腔乾燥の状態です。
口腔乾燥がひどい状態で口腔ケアを行うと、痛みが生じたり、口の中を傷つけたりすることもあるため、潤してから行う必要があります。乾燥が程度であれば、スプレータイプの保湿剤を用いて、口腔内を潤すことができます。
乾燥がひどい場合には、保湿効果の高いジェルタイプを使います。ジェルタイプは口腔内になじむまでに時間がかかるため、スプレータイプと併用するとよいでしょう。まずスプレータイプの保湿剤を塗布した後で、保湿効果の高いジェルタイプをさらに塗ります。こうすることで、比較的短時間でしっかりと口腔内を潤すことができます。
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