訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2024.07

COMECOME倶楽部

グループホームのぞみ2号館(北海道)では、口腔衛生管理体制加算の導入をきっかけに、職員向けの研修会と利用者様向けに『お口の健康相談会』を実施。これまで、内科や整形外科に比べると少し遠い存在だった歯科医院が身近に感じられるようになりました。

研修会や相談会で歯科医院の存在が身近に

研修会や相談会で歯科医院の存在が身近に グループホームのぞみ2号館 総合施設長 上田真輝さん 口腔ケアの大切さはなんとなくわかってはいましたが、職員は日々、目の前で起こっていることで手いっぱいで、研修会を受けるまでは、お口の健康状態が内科の病気にも関連するという意識は薄かったと思います。けれども、口腔ケアを行うことが誤嚥性肺炎の予防につながることなどに、職員一人一人が改めて気づけたことは研修会の大きな成果でした。 歯科医院との心強い連携体制 職員にとって、内科や整形外科の先生は身近ですが、歯科医院は少し遠い存在で、これまで、気軽に相談できる歯科医師や歯科衛生士さんとのお付き合いはありませんでした。そのため、口腔ケアで何か気になることがあると、まずはインターネットで調べてみるという状態でした。

それが、今回、研修会や利用者様向けの『お口の健康相談会』を行ったことで伊藤歯科医院との協力体制ができ、歯科医師の存在がぐっと身近になりました。来ていただいた伊藤先生は、やさしそうで話しやすそうな先生でしたので、今後は疑問に思うことがあったらいろいろ教えていただけるのではないかと心強く感じています。 『お口の健康相談会』もスムーズに進行 利用者様には『お口の健康相談会』を実施しましたが、こういう形で利用者様のお口の状態をみていただくのは今回が初めてでした。歯科医院では後ろに倒れる椅子でお口の中を見ますが、どうやってやるのだろうかと思っていました。実際には、特別な準備は必要なく、先生と利用者様が対面に座り、手際よくお口の中を確認されていました。

相談会の結果は、お一人ずつ書面にまとめられたものをいただきました。その結果を受けて、訪問歯科診療も始まりました。
歯科医院は他の病院に比べて、スロープがついていたり段差がなかったりなどの車椅子対応のバリアフリーになっている所はまだ少ないイメージがあります。

これまで利用者様を歯科医院に連れて行く時には、スロープや段差の有る無しで病院探しをしていました。ですから、歯科医院に行くのと同様の治療が訪問歯科診療で受けられることは、利用者様にとっても職員にとってもとても助かります。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

歯石がつきやすい場所歯石は、歯垢(プラーク)が石灰化して石のように硬くなったもので、唾液に含まれるカルシウムやリンが歯垢に付着することで石灰化します。

歯石がつきやすい場所といわれてまず思い浮かぶのは、下の前歯の裏側ではないでしょうか。ここは歯ブラシがうまく届かず、磨きにくい代表的な場所でもあり、磨き残しがあると歯垢が残ってしまい、歯石がつきやすくなります。

一方で、上の奥歯の表側は、歯ブラシもよく届いて磨きやすい場所であるにもかかわらず、実は歯石がつきやすいのです。

歯石がつきやすい下の前歯の裏側と上の奥歯の表側は、どちらも唾液が出る唾液腺の開口部がある場所です。そのため、カルシウムなどが歯垢に付着しやすく、石灰化が起こりやすいのです。

歯垢は1〜3日で歯石になるといわわれています。歯垢を残さないように、この部分を意識して歯磨きをしましょう。

また、歯垢は自分の歯だけでなく、入れ歯にもつきます。これは「デンチャープラーク」と呼ばれ、放っておけば歯石になります。入れ歯も毎日、しっかりお手入れしましょう。

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