訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2024.01

COMECOME倶楽部

サービス付き高齢者住宅のサンホーム太子(兵庫県)では、国が推進する自立支援の一つでもある口腔ケアの重要性を意識しています。その取り組みの一つの足がかりとして、『お口の健康相談会』を実施しました。

自立支援のためにも口腔ケアに取り組みたい

自立支援のためにも口腔ケアに取り組みたい サンホーム太子(課長/管理者/社会福祉士 前川 翔太さん) 「サンホーム太子」では、義歯、あるいは自歯のあるなしを問わずに、食後のブラッシングやうがいを実施してきました。あくまでも介護スタッフが行うケアですから、専門性に長けているというわけではありませんが、口腔ケアには取り組んできました。 『健康相談会』でお口の状態をまず確認 今回、『お口の健康相談会』を実施して、実際に入居者様のお口の中の状況を確認することができました。実施に際しては、特に断る入居者様はいらっしゃらなかったので、相談会はスムーズに行えたのではないかと思います。
相談会のお一人お一人の結果は、歯科医師から書面でいただき、ご家族の方にはひとまず、お電話など口頭ですぐにお伝えし、治療を希望されるかどうかなどの確認をとりました。相談会の結果は、キーとなるスタッフにも共有しています。
口腔内の不具合は食事が進まない要因になりますし、お口の健康を保つことが誤嚥性肺炎の予防につながりますから、『お口の健康相談会』は定期的に続けていきたいと考えています。 口腔ケアの大切さをみんなの共通認識に お口の健康の大切さは、私たち職員だけではなく、入居者様やご家族の方にもしっかりと理解していただきたい情報です。
今回は『お口の健康相談会』の実施がメインでしたが、相談会の前に口腔ケアの必要性などを歯科医師の方や歯科衛生士さんなどの専門家にお話ししていただける勉強会のようなものもぜひできたらよいと思っています。私やスタッフから入居者様やご家族にお伝えするのと、専門家の方から話を聞くのとでは、説得力がだいぶ変わるのではないでしょうか。
厚生労働省は高齢者の自立支援・重症化防止には、リハビリ、栄養、口腔の3つの要素を重要視し、推進しています。
特養や老健では、歯科衛生士さんの指導が口腔機能の加算に結びつくので、歯科医院と密な連携を取っている施設も多いようです。
当方はサ高住なので難しい部分はあるかもしれませんが、加算の付く付かないにかかわらず、口腔ケアは重要であり、しっかり取り組むべきです。当グループのサ高住は、姫路市内にも3つありますので、太子で『お口の健康相談会』を実施したことなどは他の施設の管理者にも情報共有したいと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

胃腸の調子と舌苔舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に付く白い苔状のもので、言うなれば、舌の表面に付く垢のようなものです。舌の細胞が角質化したものに、細菌などがたまり、舌の奥の方から手前にかけて、うっすらと白っぽくなっているのが一般的です。

舌の表面の細胞は新陳代謝がさかんで、通常は食べ物が舌に触れたり、歯と触れ合ったりすることで舌の表面の汚れも落ちます。けれども、新陳代謝が低下すると、舌苔が厚くなってきます。

加齢とともに舌苔はたまりやすくなりますが、腸の調子が悪くなり内蔵機能の低下することでも舌の新陳代謝が滞り、舌苔が厚くなります。舌苔が厚くなれば、口臭もきつくなります。

胃腸の調子を整えるには食生活が大切です。バランスの取れた食事を心がけ、消化不良を起こさないようによく噛んで食べることを意識しましょう。また、消化不良に身体の冷えが加わると、舌苔は白く厚くなる傾向があるとも言われているので、身体を温めて消化のよいものを食べるようにします。
同時に、舌の清掃などの口腔ケアもしっかり行いましょう。

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