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- 2023.06
キートスグループ(群馬県)の基本理念は、地域に根ざした社会貢献。地域、利用者様、ご家族の寄り添う介護を行うことをモットーに、地域の歯科医院と連携しながら、職員向けの勉強会や、『お口の健康相談会』、訪問歯科診療など、口腔ケアに取り組んでいます。
最後まで自分のお口で食べていただきたいから
小規模多機能・グループホーム キートス南八幡 施設長 飯野雅実さん
キ—トスグループでは、介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、グループホーム、小規模多機能ホームを展開しています。どの施設でも、基本理念の通り、利用者様やご家族に寄り添って介護し、看取りまで行います。
利用者様の最期まで寄り添わせていただく中で思うのは、亡くなる直前までお口で食事をしていただきたいということ。経口摂取の重要性を強く感じています。
現在は日本訪問歯科協会の協力を経て、地元の冨所歯科医院の先生や歯科衛生士に来ていただき、勉強会などで学びながら口腔ケアを行っています。 勉強会で学び現場で活かす
職員向けの勉強会ではさまざまな学びがあります。食べる姿勢や顎の角度などによって飲み込みやすさが変わることなどを教えていただいた時は、自分たちで顎を出したり引いたりしながら、飲み込み具合のちがいがあることが身をもって実感できました。
勉強会で学んだことは、実際に食事の介助をする上で、車椅子の角度やタオルをどのように入れれば食べやすい姿勢になるかなど、現場での細やかな工夫へとつながっています。 誤嚥性肺炎での入院がゼロに
『お口の健康相談会』を実施したことで、利用者様のお口や嚥下の状態や必要な介助についても職員同士で改めて共有できました。
また、先生も歯科衛生士さんもお一人お一人の利用者様に対して、ていねいかつ柔軟に対応してくださいます。
歯科衛生士さんが来ると手を振っている利用者様もいて、顔なじみになっている様子が見て取れます。職員だけでは足りない部分を定期的に歯科衛生士さんに補っていただくことができ、とても助かります。
また、治療についても、状態とそれに対する先生の見解を示しつつ、様子を見るか、歯を抜くか抜かないか、入れ歯の調整をどうするかなど、利用者様やご家族にも確認した上で進めてくださるので、安心感があります。
勉強会や相談会はコロナ禍でも続けてきましたが、その成果か、誤嚥性肺炎で入院する方はゼロになりました。今後も、歯科医院に協力いただきながら、口腔ケアをもっと強化していきたいと思います。
入れ歯安定剤をきれいに取り除く方法入れ歯安定剤には、主にクリームタイプ、クッションタイプ、シートタイプ、粉末タイプの4種類があります。
入れ歯安定剤を使っている人の口腔ケアでは、入れ歯を外した時に歯茎や粘膜に入れ歯安定剤が残っていることがあります。口腔ケアの介助を行う時に、歯肉や粘膜についた入れ歯安定剤がなかなか取れずに苦労することがあるかもしれません。
入れ歯安定剤は水にぬらすと取れにくくなる傾向にあります。特にクリームタイプは粘着性が強く、水にぬれると膨張してネバネバ感が増し、さらに取り除きにくくなってしまいます。
歯肉や粘膜に入れ歯安定剤が残っている場合には、水でぬらす前に乾いたガーゼなどで拭き取りましょう。その後で水を含ませたスポンジブラシややわらかい歯ブラシなどで、歯肉や粘膜の清掃を行います。歯が残っている場合には、ワンタフトブラシなどでていねいに歯磨きします。
入れ歯に残っている入れ歯安定剤も、ティッシュペーパーやガーゼなどで拭き取ってから義歯用ブラシで水洗いしましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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