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- 2019.09
【かわさきグループホームそよ風】(神奈川県)では、口腔ケアの質を上げるために、信頼できる歯科医院としっかりと連携して、『お口の健康相談会』や口腔衛生管理体制加算などに取り組んでいます。
口腔ケアの質を上げるために必要なことに取り組む
かわさきグループホームそよ風 センター長 重松克之さん
当ホームでは、髙松歯科医院との連携で、昨年から『お口の健康相談会』や訪問歯科診療、口腔衛生管理体制加算の算定を行っています。
『お口の健康相談会』はご家族の方からとても喜ばれました。当ホームでは半年に一度、利用者様とご家族が集まる「ご家族会」を開催しているのですが、その席でも「こういうことまでやっていただけるのですね」と感謝の言葉をいただきました。
相談会の後、訪問診療を受けた利用者様もいて、以前は入れ歯が合わなくて咀嚼に苦労しているようでしたが、少しずつ改善に向かっています。
職員の意識が大きく変化
髙松歯科医院と連携を取るようになって一番大きく変化したのは職員の意識です。口腔衛生管理体制加算を取っているので、毎月、口腔ケアに関する計画書を作成していますが、先生から「こういうところに目を配ってください」などていねいで的確なアドバイスをいただきます。
口腔ケアに関してわかっているつもりでいても、指摘を受けて気づくこと、初めて知る内容などもいろいろあります。多岐にわたって具体的かつわかりやすい指示をいただけるので、改めて勉強になりとても助かっています。
口腔衛生管理体制加算によって計画書の作成などの業務は若干増えましたが、口腔ケアの質を上げるために必要なことが改めて始まったという感覚なので、負担に感じることはまったくありません。 歯科医院とのよりよい連携体制ができ満足です!
『お口の健康相談会』は、職員が利用者様のお口の健康状態を把握するきっかけになりますし、ご家族からも大変喜ばれているので、これからも年1回くらいのペースで続けていきたいと思います。
髙松歯科医院には本当に誠実に対応していただいていて、髙松先生の温かいハートも感じられるので、このまま引き続きいろいろとお願いしたいと思っています。現在の連携についての感想は「満足です」のひと言に尽きます。
強いて要望をあげるとすれば、グループホームでは経口摂取ができなくなると対応が難しくなってきますので、嚥下反射についてぜひご指導いただき、今後ともお力添えいただけると心強いです。
誤嚥のタイプの分類飲食物や唾液は、通常は口から咽頭を通り胃へ送り込まれます。けれども、何らかの原因で誤って喉頭から気管に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。誤嚥は高齢者の生死にかかわる誤嚥性肺炎などを引き起こすこともあるために、常に注意が必要です。誤嚥は大きく4つのタイプに分類できます。
1.機会誤嚥
通常の食事を行っていて、ときどき飲食物を誤嚥してしまう。
2.水分誤嚥
飲み物を飲むときに頻繁に誤嚥してしまう。
3.食物誤嚥
飲食物を飲み込むときに頻繁に誤嚥してしまうが、呼吸状態は安定している。
4.唾液誤嚥
唾液を含むすべてのものを誤嚥し、呼吸状態も良くない。
1→4の順に重症度は高まり、肺炎のリスクが大きくなります。
機会誤嚥と水分誤嚥は、嚥下訓練を行ったり、飲食物に少しとろみを付けるなどの工夫をすることで対処します。何を飲み込んでも誤嚥してしまう食物誤嚥や唾液誤嚥の場合は、速やかに医療機関を受診してください。
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