- 155
- 2019.02
【まちかどデイハウスりらっくす】(広島県)では、利用者様向けの勉強会と「お口の健康相談会」でお口の健康状態に関心をもつ人が増えたことで、食後の口腔ケアの習慣づくりに取り組み始めています。
勉強会や相談会を継続してお口のADLの向上を目指したい!
まちかどデイハウスりらっくす 管理者:中村俊幹さん
私は以前、訪問介護のヘルパーをしていました。ご利用者様の中に口腔リハビリを受けていた方がいたのですが、事情があってリハが受けられなくなると、1年くらいでお口のADLがものすごく下がり、2〜3年後に亡くなってしまいました。もし、あのまま口腔リハビリを続けることができ、お口の健康状態を保てていれば、もう少し長生きできたのではないかという思いがずっとありました。
当施設には2018年4月に着任しましたが、その際、利用者様のお口を見せていただいたところ、お口の汚れや口臭などが少し気になりました。そんな時にタイミングよく、日本訪問歯科協会から利用者様向けの勉強会と「お口の健康相談会」のお話をいただき、さっそく実施いたしました。 入れ歯の不具合を家族に伝えるきっかけに
「お口の健康お話し会」は、事前に利用者様に「お口のお勉強ですよ」とご案内していたので、皆さん、しっかりとお話を聞いていました。「だから私の歯は痛かったのね」「それで食べづらかったんだ」と納得することも多かったようで、自分のお口の健康状態に興味をもっていただくとてもよいきっかけになりました。
「お口の健康相談会」には10名の方が参加されました。あるご利用者様は以前から入れ歯が合わなくて食べづらさを感じていたのですが、ご家族には言えずにいたそうです。けれども、「相談会」の後に先生が報告書をまとめてくださったことで、ご家族に伝えることができ、歯医者に行くことができたと、とても喜んでいらっしゃいました。
先生はご利用者様のお話をていねいに聞いてくださり、好印象を受けました。「次もまた同じ先生が来てくれるかな」と言っている方もいらっしゃいましたので、またぜひお願いしたいです。 口腔ケアを習慣にしてめざせ、100歳
勉強会や相談会の後、3名の方が歯医者さんに行かれたことはとてもうれしい反響です。また、口腔ケアに興味を持つ方も少しずつ増えてきています。
デイサービスでの食後の歯磨き習慣は徹底しておらず、こちらとしても十分にお声がけができていない部分がありました。これからは歯磨きの時間を作るなど、積極的に取り入れて、新たな習慣を作っていきたいと思います。
勉強会や相談会はこれからも継続していきたいと考えています。スタッフ向けの勉強会もぜひやりたいです。定期的に継続していくことで利用者様のお口のADLがどんどん上がっていけばいいと思います。めざせ、100歳です!
舌のケアでインフルエンザ予防空気が乾燥する冬は、ウイルスが蔓延しやすくなるため、風邪やインフルエンザが流行します。予防のためには、うがいと手洗いだけでなく、実は口腔ケアをしっかり行うことも大切です。
口の中の細菌が増えると、インフルエンザのウイルスが侵入しやすい状態になり、感染しやすくなります。
特に気を配りたいのが舌の汚れです。舌に舌苔が厚く付いているとそこにウイルスが付着し、体内に侵入しやすくなりますので、舌のクリーニングも忘れずに行いましょう。
舌のケアは毎食後でなく1日1回で大丈夫ですが、朝起きてすぐ、朝の歯みがきの時に行うのがおすすめです。睡眠中は口の中で細菌が繁殖しやすく、舌苔があると細菌の格好の生息場所となっています。朝起きてすぐの舌は、1日のうちで一番汚れているので、このタイミングで行うと効果的です。
舌のクリーニングを加えた口腔ケアをいつも以上に念入りに行って、インフルエンザをしっかり予防しましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
〒101-0037 東京都千代田区神田西福田町4 ONEST神田西福田町ビル8F TEL:03-5297-5073 FAX:03-5294-1150