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- 2018.11
社会福祉法人緑陽会のケアハウス【グリーンハイツ】(群馬県)では、『お口の健康相談会』の実施後、多くの方が訪問歯科診療を希望されました。通院に付き添う負担が減ったことでご家族にも喜ばれ、施設にとっても歯科医師との連携が図れるようになりました。
訪問歯科診療で歯科医師とのよりよい連携
社会福祉法人緑陽会 ケアハウス グリーンハイツ 施設長 須藤茂子さん
当会の常務とあらい歯科の院長先生がお知り合いだったご縁で、今年、『お口の健康相談会』を初めて実施いたしました。
かつて、何年か前に他の歯科医院に訪問診療に来ていただいたことがあったのですが、いつの間にか立ち消えになり、この5〜6年は入居者様のお口の健康状態をきちんと把握できていない状況でした。ですから、今回の相談会はとてもよいきっかけになりました。 訪問歯科診療でご家族の負担が軽減
『お口の健康相談会』の後は、12名の方が訪問歯科診療を希望されました。
これまで、歯が痛くなったり、義歯の具合が悪くなったりした時には、ご家族の方にお願いして連れて行っていただいていました。けれども、ご家族が遠方にいらっしゃる方もいて、歯医者さんへの付き添いのためにここまで来るのは大変だったと思います。
今回、訪問歯科診療のことをご家族の皆様にお知らせしたところ、「ぜひよろしくお願いします」という声が多く、とても喜んでいただけました。 今後はぜひ職員向け研修も
義歯がどうなっているのか、抜けている歯はないか、噛み合わせは大丈夫なのかとか、入居者様のお口の状態はいろいろ気になることはあります。隣接するデイサービスのほうでは、食後にお一人おひとり確認しながら口腔ケアを行っています。けれども、ここでは私たちが入居者様のお口の状態を確認する機会はほとんどありません。
今後も訪問歯科診療は希望者がいる限り、これからもずっと継続していきたいと思っています。歯医者さんに連れて行くご家族の負担を減らすこともできますし、これまで歯医者さんとの連携が何もなかったので、先生からアドバイスをいただくことができるのは、私たち職員としてもとても心強いです。
また、『お口の健康相談会』を定期的に実施していきたいです。それから、職員が入居者様にちょっとしたアドバイスができるようになれるよう、今後はぜひ職員向けにも研修をやっていただきたいと思います。
咳払いで誤嚥予防咳払いは食べ物などが気管に入った時などに誤嚥を防ぐ大切な動作ですが、加齢と共に筋力が低下してくると、上手に咳払いができなくなってくることもあります。
食事中にむせても、「エッヘン」という大きな咳払いができていれば、気管に入りそうになった食べ物をしっかり押す出すことができているので心配ありません。一方、「ケホッ」と小さくむせている時は、食べ物をうまく押し出せていない可能性があり、誤嚥の注意信号と言えます。
「エッヘン」がうまくできない時は、「エイッ」と叫ぶ感じで息を吐き出してみます。「エッヘン」ができなくても、「エイッ」ならできるという場合もあり、これでも異物を押し出す効果が期待できます。
また、咳払いは、腹筋を意識して行うとうまくいくことがあります。むせやすくなったと感じたら、お腹に両手を当ててしっかりと息を吸い、腹筋を意識しながら、「エッヘン」と咳払いをする訓練しておくとよいでしょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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