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- 2018.04
【株式会社申光リハビリデイサービスクローバー】(大阪府)では、高齢者の健康と自立のために、専門の運動機能だけでなく口腔機能も重要視。口腔機能向上に取り組みながら、大切さを利用者様に啓蒙しています。
生涯自立の実現には口腔機能の向上も大切
株式会社申光リハビリデイサービスクローバー代表取締役 申 東奎さん
当社の理念は、利用者様の「生涯自立」のお手伝いをすること。自立のためには動ける体づくりが必要ですから機能向上型のデイサービスを提供していますが、ある時から、体だけを鍛えればよいのだろうかと考えるようになりました。
そして、健康とは、休養・栄養・適度な運動の3つが揃って成立するものであり、栄養摂取には口腔機能の向上が大切だということに思い至りました。とはいえ口腔機能向上については専門外でしたので、日本訪問歯科協会に協力をお願いしました。 口腔機能の重要性を根気よく啓蒙中
口腔機能向上加算に取り組もうと決めた当初、スタッフは「リハビリデイサービスで口腔機能向上?」と戸惑ったようです。けれども、歯科の専門家を招いて勉強会を行ったことで、関連性が明確に理解でき、みんな納得してくれました。
けれども、利用者様に呼びかけると、「歯は悪くないからいいや」「めんどくさい」という答えが返ってきました。皆さん、健康のために運動が大切だということは知っていますが、口腔機能の重要性については認識が低いのが現状。口腔機能向上=歯の治療だと思っている人が多いのですが、歳をとればいろいろな機能が必ず衰えてくるので、ケアによって健康な時間を延ばすことが重要だとお伝えしています。協会からいただくポスターなどを元に啓蒙を根気よく行っています。
利用者様には『お口の健康相談会』も実施しましたが、歯医者さんが来てくれることはとても好評でした。今後も各支店、順次に実施します。歯医者さんとの連携も重要で、先生にはいろいろと協力していただいています。 身体機能と口腔機能は連動している
最近では「オーラルフレイル」という言葉も耳にするようになりましたが、お口の虚弱状態を作らないためにも口腔機能をしっかり使って低下させないことが大切だということが少しずつ知られるようになってきました。
また、身体機能低下と口腔機能低下は密接に連動しています。姿勢が悪くなれば嚥下にも影響が出ますし、歯の噛み合わせが悪くなることで体のバランスも崩れます。バランスが悪くなれば、歩行にも悪影響を及ぼします。
私たちは日頃から、「亡くなる前の日まで自分の足でトイレに行けるようにしましょう」と利用者様にお話ししますが、寝たきりにならないためも自分のお口でしっかり食べて健康を維持することが大切。「生涯自立」のお手伝いのためにも、口腔機能向上の重要性を理解してもらえるように、これからも取り組んでいきます!
歯の黒い点・白い点むし歯になると、歯は黒くなりますが、黒い点が必ずしもむし歯とは限りません。コーヒーや紅茶、たばこなどを好む人では、むし歯と見間違えるような黒い着色汚れが付くことがあります。汚れであれば歯のクリーニングを行うことで大半の汚れは落とすことができます。また、ごく初期のむし歯なら、再石灰化によって自然治癒していることもあります。
いずれにしても、なるべく早く専門家にみてもらうとよいでしょう。
むしろ、一部分だけ白くなっている場合は要注意。健康な歯の表面はエナメル質という硬い成分で覆われていますが、歯の表面のエナメル質が部分的に溶けてくる「脱灰」という状態になると、部分的に白くなってきます。
脱灰は食後の口腔ケアを行っていて、口の中が酸性になっている時間が長くなると起こりやすくなり、これを放置しているとむし歯になってしまいます。
けれども、まだ予防は可能ですので、フッ素が配合されている歯磨き粉などでしっかりと歯磨きをすることをおすすめします。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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