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- 2018.01
家庭的な環境のもとで安心して暮らせるグループホームづくりを展開する【有限会社エンジェル・コール】(愛媛県)。口腔ケアの勉強会で得た知識は、参加者が報告書にまとめて職員全体で共有し、日々の口腔ケアに活用しています。
勉強会での知識を共有して入居者様に還元する
有限会社エンジェル・コール 代表取締役 越野文枝さん
当社では、職員がさまざまな研修会や勉強会に参加した時には、その内容を報告書にまとめて提出することを義務づけています。書いてもらった報告書は回覧して、勉強会に参加してない職員にも情報が共有できるようにしています。
日本訪問歯科協会の協力で、職員を対象とした口腔ケアの勉強会を行いましたが、もちろん、参加者からしっかりと報告書が上がってきました。 口腔ケアを充実したら風邪をひきにくくなった
口腔ケアの勉強会は、講師をしてくださった歯科の先生のお話が具体的で非常にわかりやすかったこともあり、報告書もみんなにとって非常に有益な内容でした。「食事をしっかり取れない人ほど食事前の口腔ケアをしっかり行う」「雑菌を取り除き、きれいな唾液で口腔内を清潔に」など、ポイントも明確で、いろいろな道具を実際に使いながら説明していただいたので、参加者も理解しやすかったようです。
教えていただいた内容は、グループホームの現場スタッフにも伝えてすぐに共有しました。スポンジブラシなどの道具も早速購入し、入居者様のために活用しています。口腔ケアはまだ十分とは言えないかもしれませんが、「しなければいけない」という意識をもったことだけでもずいぶん違うと思います。
最初の勉強会は5月でしたが、そこから口腔ケアを意識して行うようになったら、9月まではグループホームの入居者様のどなたも風邪をひきませんでした。寒くなってからは風邪の症状が若干見られますが、皆さん軽症ですんでいるので、口腔ケアの効果もあるのではないかと思います。また、食べこぼしなど、食べることに困っている方も減ってきたように感じています。 訪問歯科診療はご家族に好評
勉強会では食べることに対しての支援が私たちにどこまでできるのかなど、口腔ケアの大切さを学びました。これからも定期的に行っていきたいと思います。
それから、『お口の健康相談会』も今、4つのグループホームごとに順番に行っているところです。その後、訪問歯科診療を希望される方も多数いらっしゃいます。これまでは職員またはご家族が付き添って歯医者さんに連れて行っていましたが、歯医者さんが来てくれて治療や入れ歯の調整をしてもらえることに、ご家族の方がとても喜んでくださいました。
歯ブラシの正しい保管方法お口の清潔を守る歯ブラシは、保管の方法を間違えると細菌が繁殖して非常に不潔な状態になります。ついやってしまいがちですが、こんな歯ブラシの保管方法はNGです。
×毛先を下にしてコップに入れる
歯ブラシの毛先が乾かずに雑菌が繁殖しやすくなります。
×ユニットバスや洗面台の収納の中に保管する
歯ブラシの毛先を上にしても、これらの場所では毛先がなかなか乾きません。
×1つのコップに複数の歯ブラシが入っている
歯ブラシの毛先がふれ合うと、菌が感染する可能性もあります。
歯磨きが終わったら、歯ブラシはコップなどにためた水ではなく、流水でしっかりと汚れを洗い流してから保管します。
そして、しっかり洗うのと同じくらい重要なのがしっかりと乾燥させることです。風通しの良い場所でブラシの毛先を上にして、立てて保管します。たくさんの歯ブラシを保管する時は、毛先が触れないように仕切りをすることも大切です。
定期的に新しい歯ブラシに交換することもお忘れなく!
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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