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- 2017.03
【医療法人社団中川会 介護老人保健施設グリーン三条】(広島県)では、『お口の健康相談会』をきっかけに、利用者様一人ひとりに合ったケアを行った結果、口臭がなくなったことに手応えを感じています。
口腔ケアの成果で施設内の口臭も解消
医療法人社団中川会
介護老人保健施設グリーン三条
看護主任/介護支援専門員 谷岡房子さん
看護師長/介護支援専門員 小田康子さん
介護支援専門員 野間典子さん
職員も口腔ケアを頑張って行った結果、施設内の口臭がなくなったのは大きな成果です。高齢者施設はおむつのにおいと口臭が漂ってしまうことが多いのですが、よそから来る相談員さんからも「においがしませんね」と言われます。利用者様のお口の状態が全体的によくなったことで、口臭がある方がいると職員も気づきやすくなり、注意してケアできることが改善につながったのでしょう。
経口維持加算や経口移行加算などについても、日本訪問歯科協会にいろいろ教えていただきましたので、今後ともご指導いただきたいと思います。(谷岡さん) ケアでお口のトラブルを予防 利用者様の口腔衛生に関しては難しいことも多くて、どうしたらいいのかという質問などを、歯医者さんや歯科衛生士さんに常時相談させていただいています。利用者様の個別性に合わせた口腔ケアの工夫点などを教えていただき、とても参考になります。
利用者様の中には、現状維持をすることも難しい方もいます。一度機能が低下してしまうと、お口からお食事がとれるようにメンテナンスすることすら難しい状況になることもあるので、できるだけそうならないように、現状維持はもちろん、トラブルを予防する方向で取り組んでいきたいと思います。(小田さん) 一人ひとりに合ったケアを 利用者様が気持ちよく生活するためには、お口の健康は欠かせないので、積極的に口腔ケアに取り組んでいきたいと思います。
利用者様一人ひとりに合わせたケアを職員が意識して、しっかりと進めていきたいですね。
口腔ケアをきちんとやりたくても、お口に痛みがあったり、苦痛で口があかない方もいらっしゃいます。先生方にご指導いただきながら、苦痛なくお口がきれいになる方法を学んでいきたいと思います。(野間さん)
歯が伸びた!?と思ったら口腔ケアの介助を行おうとしてお口の中をのぞいた時や、自分の口の中を鏡で見たときに、「歯が伸びた」と感じることはありませんか?
これは、加齢や歯周病などによって歯茎がやせたり下がったりしたために、歯の根元が見えてしまい、歯が伸びたように見えているのです。このような状態を「歯根露出」と言います。
そのまま放置しておくと歯周病が進行するだけでなく、露出している部分に汚れがたまって虫歯になったり、知覚過敏になったりします。
知覚過敏になると、歯ブラシが当たると痛みを感じることもありますので、露出している部分はほかの部分よりも慎重にケアすることが重要です。
歯根露出のケアには、普通の歯ブラシよりも、先端がコンパクトで小回りの効くワンタフトブラシがおすすめです。毛先のやわらかいものを選んで、根元に沿って弧を描くように、やさしくブラッシングします。周辺の歯肉をマッサージするように、小さく円を描くようにブラッシングしましょう
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