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- 2016.08
【医療法人敬生会十慈堂病院通所リハビリともろー園】(神奈川県)では、定期的に『お口の健康相談会』を行っています。利用者様はやさしい先生が来てくれる日を心待ちにしていますし、スタッフにとっても情報収集の場になっています。
歯科医師との連携はスタッフにもよい刺激になる
当 施設では定期的に歯科の先生に来ていただき、『お口の健康相談会』を行っています。先生がいらっしゃることは、事前に行事案内で利用者様にお知らせしますが、先生に聞きたいこと、教えていただきたいことなどの質問事項をしっかり考えてくる方もいて、先生がいらっしゃるのを皆さん、楽しみにしています。
わかりやすい先生のお話に利用者様も真剣に耳を傾ける 健康相談会は、口腔ケアの大切さ、嚥下の重要性、肺炎予防などのお話から始まります。先生の説明はとてもていねいで、ゆっくりとしたスピードでわかりやすくお話ししてくださるので、皆さん、とても真剣に耳を傾けていらっしゃいます。
健康相談会から訪問歯科診療につながった方もいて、訪問歯科をご紹介するよい機会になりました。入れ歯が合わなくてはずして来ていた方が、先生に調整してもらってはめてくると、引き続き先生に関わっていただいているんだなと、状況が把握できます。
治療の様子を利用者様から聞くこともありますが、治療そのものよりも、やさしい先生が来てくれることを待ちわびている方も多いようです。 口腔ケアに対するスタッフの技術も向上 利用者様の中にはこれまで個人的に訪問歯科を受けていた方はいらっしゃいましたが、ケアマネジャーさんを介してでしたので、私たちが訪問歯科の先生と直接関わることは今まではありませんで
した。
当施設としても口腔ケアに力を入れていきたいと考えていたときに、『お口の健康相談会』のお話をいただき、歯科医師と連携を取れるようになったことは、スタッフにとってもよい刺激になっています。口腔ケア技術の向上にもかなり役立っていて、新規の利用者様については初めから口腔ケアをしっかり行うように指導しています。また、今まで食後の歯みがきをしなかった方が、健康相談会の後は歯ブラシを持ってきてくれるようになったことも大きな変化だと思います。
先生がいらっしゃるときには、「こんなテーマでお話をしてください」と私たちがふと思いついたお題をお願いすることもありますが、快く引き受けてくださいますし、いろいろな質問にもわかりやすく説明してくださるので感謝しています。
歯磨きコップの汚れ歯磨きで口をすすぐ歯磨き用のコップは、水を入れているだけなのであまり汚れていないように思われがちですが、底やまわりには意外と汚れがついているものです。
●汚れの種類コップにつきやすい汚れには、黒い汚れ、ピンク色の汚れ、白い汚れなどがあります。黒い汚れの正体は「黒カビ」で、コップの外側の底などによく発生します。ピンクや白い汚れはコップの内側によく見られます。ピンクの汚れは「酵母菌」で、カビよりも速い速度で増殖します。白い汚れは、水道水に含まれるカルシウムやミネラルです。
●汚れの落とし方黒カビと酵母菌は台所用の塩素系漂白剤でつけ置き、白いカルシウムやミネラルなどはアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸を含んだスプレーなどを吹きかけて、こすって落とします。
きれいに歯を磨いても、汚れたコップの水ですすいでいては本末転倒です。コップのカビや汚れを防ぐには、使用後には毎回流水できちんと洗い、底に水が残らないようにしっかり乾燥させることが大切です。また、水切れのいい場所に置いて、清潔に保ちましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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