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- 2015.08
【ベストケア・デイサービスセンター駒川】(大阪府)では、『勉強会』で職員が口腔ケアの知識を身につけることの大切さを実感。
勉強会も『お口の健康相談会』も、ぜひ定期的に取り入れていきたいと考えています。
勉強会も相談会もやらないと損をする
歯やお口の健康に関することは、意識して情報を取り入れていないと、どうしても勉強不足になりがちです。
歯みがきの方法一つとっても、昔は歯ブラシを横にしてゴシゴシみがいていたのに、今ではやり方が変わっています。
今回、職員向けの『勉強会』で歯医者さんから話を聞く機会を持てたことは非常に有意義でした。
相談会の後では、利用者様の意識もずいぶん変わりました。以前は、利用者様のほうからお口の中のことを話題にすることはほとんどありませんでした。
それが相談会に参加されてからは、「実は入れ歯が合っていなかった」とか、「お口の中を診てもらえるならばぜひ参加したい」「治療できるのならばやりたい」など、お口に関することも会話の中に出てくるようになりました。これは大きな変化だと感じています。
また、相談会後に訪問歯科診療を受けた方も何名かいらっしゃいます。歯医者さんに通うことが難しくても、歯医者さんのほうから来てくれるので、皆さん、とても喜んでいます。
入れ歯が合っていなかった方はおいしく食事ができるようになりましたし、ずっと気になっていた歯ぐきの痛みがなくなったという明るい声も聞かれました。 正しい知識をもって重要性を伝える お口に関することは、わかっているようで案外わかっていないことも多いと思います。
たとえば、歯ぐきがやせてきて入れ歯が合わなくなることは知っているけれど、入れ歯安定剤をつけておけばなんとかなるというイメージがありました。
私も勉強会でお話を聞くまでは、入れ歯安定剤は必要なものだと思っていましたが、入れ歯がぴったりと合っていれば、安定剤がなくてもしっかりはまっているものだということを再認識しました。
また、歯みがきのタイミングも食後だけでなく、誤嚥性肺炎などの予防から寝る前にみがくことが重要なことや、歯周病が脳梗塞など全身の病気にも関連していることも知りました。
自分たちの知識の浅さを実感し、専門家の先生にお話を聞けたことは、本当によかったと思います。
自分がきちんとした知識を持たないと、利用者様に「口腔ケアが大切ですよ」といくらいっても説得力がありません。自分が聞いた話が利用者様のためになるのですから、勉強会はやらないと損だと思いました。
口腔ケアは自分でも実感できる病気予防法 利用者様には、『お口の健康相談会』を行いました。全員にお知らせを配った上で、今回は希望者だけの参加でしたが、参加されなかった方も当日、「何をやっているんだろう?」と見に来ていました。
歯医者さんがあそこまできちんとお口の中をみてくれるとは誰も想像していませんでした。
次回はもっと利用者様にアピールして参加していただきたいと思います。
勉強会も相談会も、一度きりではなく定期的にやることが大切だと思います。
口腔ケアが認知症や肺炎にも関わることを知れば、おろそかにはできません。
歯みがきなどの口腔ケアは、自分で実感しながら取り組める病気予防法の1つです。
そのチャンスをつぶしてしまうのはもったいないと思いました。
高齢者と低栄養〈3〉
栄養が十分に足りていない「低栄養」の高齢者は認知機能が低下するリスクが高いことや、生存率が低くなるということも調査でわかっています。
●低栄養になりやすい人
・活動性の低い人/運動をするとお腹が減りますが、あまり動かない活動性の低い生活をしていると、お腹が減らずに食事の量が少なくなります。
・食品の品目数が少ない人/野菜だけ、タンパク質は大豆製品だけなど食べている食品の種類が少ない人は、生活機能の低下率が高く、多様な種類の食品を摂ることが老化のスピードを遅らせるために重要だとされています。
・ワンパターンの食事/毎日同じ献立では栄養バランスを崩します。
●低栄養を防ぐ食べ方
・肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などタンパク質を多く含む食品を意識して食べましょう。
・主食、主菜、副菜を、バランスよく食べましょう。
・食べきれないときは、おかずを先に食べてごはんを残しましょう。
・3食しっかり食べましょう。
・一度にたくさん食べられないときは、3食プラス10時と3時のおやつで補います。
・口腔ケアをきちんと行い、噛む力を維持しましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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