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- 2015.07
【居宅介護支援事業所フローラ】(鹿児島県)では、『お口の健康相談会』を実施したことで、「食べること」の大切さを再確認。
利用者様がしっかり食べることができるようにお役に立ちたいと、職員の意識も変化しました。
お口で「食べる」ことをしっかりサポートしたい
当施設では、これまでに3回、『お口の健康相談会』を実施してきました。これまで歯医者さんに行きたくても行かれなかった利用者様はたくさんいらっしゃいます。
相談会でお口の中を診ていただくことによって、治療に結びついたり、口腔ケアの意識が高まったりと、良い結果をもたらしていると思います。
利用者様との会話でお口のことが話題に 相談会に来てくださった先生は、やさしい口調で利用者様にもわかりやすいように、細かくていねいに説明してくださるので、評判はとてもよかったです。相談会の後では、利用者様の意識もずいぶん変わりました。以前は、利用者様のほうからお口の中のことを話題にすることはほとんどありませんでした。
それが相談会に参加されてからは、「実は入れ歯が合っていなかった」とか、「お口の中を診てもらえるならばぜひ参加したい」「治療できるのならばやりたい」など、お口に関することも会話の中に出てくるようになりました。これは大きな変化だと感じています。
また、相談会後に訪問歯科診療を受けた方も何名かいらっしゃいます。歯医者さんに通うことが難しくても、歯医者さんのほうから来てくれるので、皆さん、とても喜んでいます。
入れ歯が合っていなかった方はおいしく食事ができるようになりましたし、ずっと気になっていた歯ぐきの痛みがなくなったという明るい声も聞かれました。
食べることの重要性を再確認 利用者様だけでなく、『お口の健康相談会』によって職員の意識も大きく変わりました。
歯医者さんに相談会に来ていただいた後、言語聴覚士の方にもお口の中をみていただくという機会にもつながっていきました。
これは私たち職員が「食べる」という行為を強く意識するようになったためです。食べることはここに来られる利用者様が一番楽しみにしていることでもありますし、なにより、健康を維持していくためにとても重要なことです。
利用者様はきちんと食べることができるように、私たちが少しでもお役に立てることがあれば、という意識が強くなりましたし、今後もしっかりサポートしていきたいと思います。
高齢者と低栄養〈2〉低栄養とは、栄養が十分に足りていない栄養不足のことです。
栄養を過剰に摂り過ぎることで起こる肥満が、健康に悪影響を与えることは広く知られ、対策が行われていますが、低栄養による「やせ」もさまざまな病気の原因となるので、注意が必要です。
●低栄養による健康障害・免疫力や抵抗力がなくなり、感染症にかかりやすくなる。
・気力がなくなる。
・脱水症状が起こる。
・骨量が低下して、骨折しやすくなる。
・筋肉や筋力が低下する。
・認知機能が低下する。
・生活自立度が低下する。
・傷や褥瘡が治りにくい。
・足やお腹がむくむ。など
●食べる力をチェックかむ力や飲み込む力の低下は低栄養の原因になります。低栄養を予防するためにも、次のような症状が見られたら、歯科医院に相談しましょう。
□食べるスピードが遅くなった。
□口の中に食べ物をためる時間が長くなった。
□口から食べ物がこぼれる。
□知らない間によだれが出ている。
□よくむせる。
□せきをする力が弱い。
□痰がからみやすい。
□声がかすれる。
□うがいが上手にできない。
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