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- 2015.05
デイサービスセンター【リ・ボーン広台太田】(神奈川県)では、今回初めて『お口の健康相談会』を実施しました。やる前は大変そうに思えたものの、いざやってみると進行はスムーズで、利用者様も治療やケアに前向きになり、大きな手応えを感じました。
先生からの言葉がけで治療もケアも前向きに
『リ・ボーン』は介護保険制度で要支援・要介護と認定された方々に向けて、介護予防・介護重症化防止の運動を専門としたリハビリ型のデイサービスです。
口腔機能の低下防止のために看護師が口腔ケアの指導などを行っていますが、利用者様のお口が汚れているかどうかはわかっても、専門家ではないのでそれ以上のことまでは把握しきれずにいました。
そんなときに『お口の健康相談会』を実施することに。歯医者さんにお口の隅々までみていただくよい機会となりましたし、私たちも勉強になりました。
相談会に来てくださった歯医者さんはとてもやさしい先生でしたが、にこにこしながら「お口の中が汚いですね」と、はっきりと利用者様に言ってくださいました。言いにくいことですが、専門家の目でやさしく言ってくださったので、利用者様も納得していました。
訪問歯科の存在を知らなかった利用者様も多かったのですが、後日、「訪問歯科を受けるなら、リ・ボーンでみてもらった先生がいい」という声がたくさん聞かれました。 結果票には治療面だけでなくほめ言葉もしっかりと 相談会の結果は書面でいただきましたが、「要治療」の中でも早めに治療が必要な方に対しては「早急に」ということを別枠でお知らせいただいたので、私たちも早く対応できました。私たちが通院を勧めても二の足を踏んでいた方も、先生に言っていただき治療に前向きになれたようです。
また、歯みがきがしっかりできていた方にはほめてくださるコメントが書かれていて、今後もがんばろうという気持ちになれる、とてもよい言葉かけだと思いました。
『お口の健康相談会』は今回が初めてでしたが、当日、私たちは利用者様を誘導するだけで、歯医者さんのほうで手際よくやってくださったので助かりました。
デイサービスでは時間も限れていますし、こなしているプログラムもたくさんあるので、その中で相談会をやるのは大変ではないかと思っていたのですが、とてもスムーズにできましたし、大きな効果も得られたので、本当にやってよかったと思いました。
高齢者と低栄養〈1〉元気に自立した生活を送るためには、栄養バランスのよい食事をしっかりと食べて、体力をつけて健康を維持することが大切です。けれども、食欲の低下や偏食などによって栄養が不足すると、自分でも気づかないうちに「低栄養」の状態になることがあります。
60歳以上の人の5人に1人が低栄養だという調査結果も報告されています。
●低栄養の原因・粗食志向/粗食のほうが健康によいというイメージから、肉類などのタンパク質や油脂類などを敬遠する傾向にあります。
・活動量の低下/活動量が減ると、お腹があまり減らずに食事量が少なくなります。
・消化機能の低下/消化液の分泌が減少すると、消化吸収が悪くなります。また、腸の運動が低下して便秘がちになり、腹部膨満感や食欲不振になります。
・味覚の低下/甘みや塩味などの感覚が低下するため、味付けが濃くなって味に飽きてしまいます。
・咀嚼力や嚥下力の低下/噛む力や飲み込む力が低下すると、歯ごたえのある肉や繊維質の多い野菜などを避けるようになります。
・お口のトラブル/むし歯、入れ歯の不具合、歯の欠損などがあると、やわらかい食品を好むようになります。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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