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- 2014.12
【デイサービスセンターいろりの里】(東京都)では、これまで に2回の『お口の健康相談会』を行いました。相談会の後は、進 んで歯みがきを行うようになるなど、利用者様が積極的にな り、前向きな変化が見られました。
お口の健康相談会で利用者様の意識に変化が
笑顔の歯医者さんで利用者様にも安心感
お口の中をきれいにしなければいけないという意識は私たちにもありましたので、『お口の健康相談会』はとてもよいきっかけになりました。
相談会に来てくださった歯医者さんは、やさしい笑顔がとっても印象的。利用者様の目をしっかり見て、一人ひとりに見合った対応のしかたで、笑顔で接してくれていました。それが利用者様に大きな安心感を与えていたと思います。
口腔ケアに関しては「私はいいわ」と抵抗される利用者様もいらっしゃいますし、お口の中の状態はよくわからないことも多いのが現実です。
以前、「歯の先がとんがっているので丸めるようにしたい」と利用者様に言われ、なんのことだがよくわかなかったことがありました。けれども、今回、歯医者さんにみていただいて、歯が欠けているとか、入れ歯が当たっているとか、皆さんいろいろな状態にあり、そういうことだったのか、とわかりました。
相談会の後は、自分から進んで歯みがきを行う利用者様が増えました。先日もある利用者様が「ちょっと行ってくるから」と言うので「どこに行くのですか?」と尋ねたら、「歯をちゃちゃっと洗ってくるから」と言って、ブラシは使わなかったけれど、入れ歯をはずして水洗いをしていました。
以前は見られなかった行動ですので、相談会で意識が変わったのだと思います。
『お口の健康相談会』はこれからもぜひ定期的に続けていきたいと思います。(神部滋子さん・千葉眞由美さん) 嚥下の対処などもっと勉強していきたい
私たちスタッフも少しずつではありますが、口腔ケアを勉強して取り入れ始めているところです。
体操などもマンネリ化しないように心がけています。
特に嚥下については気になりますね。利用者様を何人かのグループに分けてお世話をさせていただいていますが、同じグループの中に、嚥下の状態がよくない方がいると、周りの利用者様も気にして心配になるようです。
嚥下についてもすばやく処置できるように、私たちももっと勉強していきたいと思っています。(砂田裕子さん)
口腔ケアで感染症予防冬は、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎など、ウイルスや細菌による感染症が流行する季節です。
冬に感染が増えるのは、空気が乾燥することで、ウイルスの水分も蒸発して空気中に漂いやすくなるとともに、乾燥を好むので、ウイルスの感染力そのものも強まります。さらに、空気が乾燥していると、くしゃみやせきの飛沫が小さくなり、飛沫に含まれるウイルスが遠くまで飛びやすくなることで、感染が広がり、感染のスピードも速まります。
人ののどや鼻の中は粘液で適度に湿っていてウイルスなどの侵入を防ぐ役割をしていますが、冬はのどや鼻の粘膜が乾燥して傷むため、ウイルスなどが体内に侵入しやすくなるのです。
また、口の中の細菌が作り出す「プロテアーゼ」という酵素が粘膜を破壊することで、さらにウイルスが侵入しやすくなることもわかっています。
歯垢や歯石、舌苔などがあってお口の中が汚れていると細菌が増殖してプロテアーゼも増えるので、口腔ケアでお口の中を清潔にしておくことも、感染症予防になります。
合わせて、手洗いとうがいも徹底して行いましょう。
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